オンラインでのイベント開催にあたって大切なポイントとは?PR視点を活かして考える、ウェブ上でのコミュニケーション~第4期広報・PRプランナー&PRライター養成講座イベントレポート~

現在、オンラインでのイベント開催が広まっています。これからも増えつづけるかと思います。一方で、オフラインでの開催とはまた違った視点が必要です。

私たちは講座をとおして、ゲスト2名をおむかえし、「自己ブランディング」をテーマに、講演&ワークショップを開催。70名の参加者が集まりました。今回、コロナの状況を受け、企画から運営、開催もすべてオンラインにておこないました。その中での気づきや学びを、PRライターMisatoがお伝えします。


オンラインだからこそ変えるべきことと、変えないことを決めよう

オンラインのイベントでは、オフライン時とはまた違った新たな視点が求められます。

イベントをスムーズに進めるためには、ネットワーク状況の確認など、事前にあらゆる事態を想定をしておくことがポイントです。

私たちの今回のイベントで具体的におこなっていたことは、すべての役割に予備担当をつけるということです。ネット環境に不具合が出てしまったとしても、すぐに対応できる仕組みをつくっておけば、無事に進めることもできるでしょう。


これまでオフラインでのイベントを主流としてきた人にとって、オンラインでは、イベントとしての質が落ちるのではないかという不安が、少なからずあるのではないでしょうか。

それによって、参加費をオフライン時よりは、比較的安く設定されていることが多いように感じます。しかし、今回のイベントの登壇ゲストおふたりともが、講習会などをオンラインに切り替えてされる際も、オフライン時と変わらない料金設置でされているとのことでした。


また、質を担保するために、おふたりとも共通して、参加者の「人数制限」をされていました。自分の中で、何人までがコミュニケーションがとりやすいのか、などの見極めが大切だと感じました。

オンラインだからこそ変えるべきことと、変えないことを決めることでオンラインイベントは運営しやすくなります。


集客は、日ごろの関係構築から生み出していくもの

イベント開催にあたって、必要不可欠な集客。講座メンバー内では、イベント開催にあたって参加者を募る告知をおこない、その状況を都度報告していました。

その中で、講師やチューターさんからあるアドバイスがありました。それは、「イベントはPR施策の1つであり、集客は“信頼関係構築の一環”である」ということです。


イベントがトラブルなく終わってよかったと私たちが満足して終わることを目指すのではなく、次回私たちが何かするときにも、応援してもらえるような、これからの長期的な関係を築いていけるアクションをどこまでできるかが大切であるといいます。

ゆえに、ただ人を集めればよいというものでもなく、そもそもイベントは社会的意義があるから開催するものであり、誘うことが目的なのではありません。

普段から関わっている人の特徴を考え、そこにあったイベントの引き出しを渡すイメージをもつことがポイントだと学びました。価値の共有であることを念頭に、相手の興味・関心に寄り添った伝え方が重要だと感じました。


そのためにも、日ごろからの関係構築の積み重ねが大切です。相手を知ろうとする姿勢はもちろん、日ごろから自分の活動を発信しておくこともポイントです。何をしているか分からない人から突然誘われても、相手は戸惑うかもしれません。ストーリーや背景を伝えることで、お知らせしやすくもなります。

長期的な関係構築を目指すPR視点をもって、いざというときにも応援してもらえる自分づくりをしていきましょう。


参加者にとっての心地のよい雰囲気づくりを心がけよう

オンラインイベントで特に気になることの1つに、参加者とのコミュニケーションの取り方があるのではないでしょうか。オフラインよりも、参加者の様子も把握しづらく、一方的になりがちで、人数も多くなればなるほど、満足度を高めるための工夫が必要でしょう。


私は、ウェブ上でのコミュニケーションについて、オフライン以上に「相手を想う気持ち」が求められると思います。

そして今回のオンラインイベント開催をとおして、運営側からの参加者を想った、積極的な声かけの重要性を感じました。オフラインイベントであれば、参加者同士で気軽に話すこともでき、何より同じ空間にいることによっての一体感があると思います。

一方で、オンラインでは個々の空間であり、参加者から積極的なアクションはなかなか見込めないと考えていた方がよいかもしれません。


具体的には、Web会議サービスのチャット機能・反応機能の利用を促すなど、そのためにも運営側がまず積極的に利用することもポイントです。

そして、私たちのイベントコンテンツの1つ、70名でおこなうワークショップでは、グループ分け機能を使い、3グループに分け、より参加者との距離を近づけました。その中で、進行役の方を見ていていいなと思ったのは、発言を促す際に、はっきりと参加者の名前を指していた点です。


実際、はじめての人ばかりの中で、しかもオンラインという周りに誰もいない状況下では、発言するのはなかなか難しいことだと思います。もちろんイベントの内容や状況にもよりますが、今回の場合、ワークの進捗や感想共有、ゲストへの質問など、雰囲気を見ながら、積極的に運営側が関わっていくことで、とてもよい意見交換がおこなえていました。


参加者の満足度にも直結する雰囲気づくりは、いかに参加者に寄り添えているかが大切だと感じました。そして、「来てよかった」「また参加したい」と思ってもらえるような、長期的な視野での良好な関係構築を目指すPR視点でイベントの雰囲気づくりもしていきましょう。


イベントを終えて

私自身、初めてのオンラインでのイベント開催でした。初めてのことに戸惑うことも多かったですが、関わってくださったすべての皆さまのおかげで、つくられたのだと思います。

そして今回、すべてのやり取りをオンラインの中でむかえたものの、そうとは思えないほど、テキスト上でも、相手に寄り添った言葉選びで、感銘を受けることも多く、PR視点とライティングスキルの大切さを改めて感じました。

今後オンライン化が進む中だからこそ、特に問われる本質的な部分をこれからもしっかりと磨いていきます。

(執筆:PRライター Misato Okimuta)