PRを活かしたビジネス展開事例。「PRライター」が人気職種になるまで~第4期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第3回より~
皆さん、こんにちは。itty selection主催の広報・PRプランナー&PRライター養成講座の修了生でチューターの柴田惠津子です。4期めになる本講座では、自らの受講経験やPR活動のノウハウなどを活かしながら、受講生の皆さんの学びをサポートさせていただいています。
さて今回は、講師のかみむらゆいさんがPRライターとして、PRをビジネス展開にどのように活かしてきたのかをレポートしたいと思います。
ゆいさんは、22歳で単身ニューヨークへ渡り、広報・PRの仕事を始めました。帰国後は、PR会社勤務を経てPRライターとして独立し、2016年には株式会社itty selectionを設立。東京・ニューヨーク・ハワイの日系企業やブランドのPR、PR人材やフリーランスの育成などを手がけています。
とくに、今後フリーランスになりたい方や個人で活動したい方、活動し始めたばかりの方は、必見です!
発信は、需要を見込みながら、ビジネス展開において最適な場所と方法を検討して実行しよう
今ますます需要が高まっている、広報・PRの現場を支援するPRライター。メディアやSNSなどのツールの特性を理解し、読者との良好な関係構築によってビジネスを発展させるサポートをするライティングができるプロです。
2015年当時、日本のPR会社で働いていたゆいさんは、広報・PR担当者はライティング力が必要であること、ライターはPR視点を持っているとよいコンテンツをつくれることに気づき、27歳のときに、PRとライターを組み合わせた「PRライター」の肩書を自ら名乗り、独立しました。
まずPRライターという職業を知ってもらうべく取り組んだのは、「PR」や「Webライティング」と関連して検索結果をつくるためにWebで情報発信をすることでした。
ゆいさんは、当時相談に乗ってくれたPRコンサルティングやWebマーケティングのサービスを提供する株式会社ninoyaさんの協力のもと、そのオウンドメディア内で「PRライターという仕事」という連載を始めました。すると、すぐにGoogle検索結果で上位表示されるように。
少し専門的なお話をすると、Google検索で上位表示される評価の高いWebコンテンツをつくるためには、検索ニーズは高いのに、発信者が少ないジャンル・キーワードであることが重要とのこと。もちろん、情報を発信しつづけることも大切です。
自社のWebサイトやブログなどのオウンドメディアを立ち上げて発信することも大事ですが、ゼロから認知を上げていくためには時間や本数が必要です。
ゆいさんの場合は、すでに多くのファンがいて検索・閲覧されやすいninoyaさんのオウンドメディアとコラボすることで、PRライターの認知をすばやく上げ、情報を届けることができました。
ビジネス展開のためには、需要を見込み、効果的な場所と方法で発信していけるとよいですね。
PRやビジネス展開のために、相互に言葉を交わせる機会をつくっていこう
情報発信とともに、イベントなどで実際に言葉を交わしながら伝える場を持つことも、PRやビジネス展開のために重要です。ゆいさんは独立後、イベントを開催していました。
開催頻度は1~2か月に1回。内容はPRやマーケティング、ライティングのコツ、フリーランスで活躍する方法などをお伝えするものです。
料金設定はケースバイケース。たとえば、ライターに興味があって話を聞いてみたいというライティング初心者の方向けには、2000円ほどの金額で気軽に参加できるイベントを。
自社のPRやマーケティングの課題解決のために予算を確保して学びにこられる経営者の方向けには、5000円以上の金額を設定して専門的なレクチャーを実施。
こうしてイベント開催を積み重ねているうちに、自らのトークスキルも上がり、参加者の方の課題解決につながるアドバイスが即興でできるようになり、その場でPRのお仕事のご依頼につながることも多いそうです。
また、普段から世の中の困りごとをリサーチ・ヒアリングすることが、PRにも、人々に求められるイベントづくりにも、ビジネス展開にも大切なポイントです。
ゆいさんは、日ごろから経営者や広報・PR担当者の方との会話の中でヒアリングした課題などをイベントの内容づくりにも活かし、どんな人たちに向けて何を伝えるのかといったターゲットや目的などを設定しています。
このように、実際に人と言葉を交わせる機会を持つこと、日ごろから課題に耳を傾けて解決につながるアドバイスができるように力をつけていくことは、PRという良好な人間関係の構築やビジネス展開にむけてプラスになります。ぜひ取り入れてみてくださいね。
自社課題にも向き合い、先を見据えたサービス展開やマネタイズをしよう
よりよいビジネス展開のためには、自社には今後どんな課題が生じるのかを想定し、生じた際には解決できるように工夫しながらビジネスを展開していくことも大切です。「広報・PRプランナー&PRライター養成講座」は、ゆいさんが独立当初に直面した課題がきっかけで立ち上がりました。
ゆいさんは、情報発信やイベント開催によって、PRライターという職業をPRしてきた結果、認知と需要を上げ、お仕事のご依頼もたくさん集まるようになりました。
そうなれば、多くのお客さまのPRをサポートするために、人材が足りずお仕事を受けられないという課題も生じてきます。ゆいさんは、独立当初からこうした課題を想定し、課題解決とビジネス展開の仕方を構想していたそうです。
そこで独立後すぐ、アシスタントや大学生インターンを採用し、お客さまからのお仕事に取り組む傍ら、PR人材育成を始めました。
しかし、PR人材育成に時間とお金をかけていると、お客さまからのお仕事に時間を十分につくれなくなりました。そこで、PRの知識を教えることをサービス化。講座をスタートすることを決めました。
わたしも本講座を受講しチューターとして活動する中で、PRという良好な人間関係の構築とビジネスのよりよい展開につなげるお手伝いができるスキルは、いろんなお仕事・活動に役立つスキルで、将来の仕事・働き方の選択肢の1つにもなるので、可能性を感じています。
自分がビジネスにおいて目指したいこと、優先すべきことを明確にした上で、現在取り組んでいることが次にどうつながるのかを考えてサービス展開をし、課題が生じたら解決できる仕組みをつくりながらビジネス展開していけるとよいですね。
まずSNSでの発信を見直し、情報を必要としている人に届けていこう
FacebookやInstagram、YouTubeなどのさまざまな発信ツールがある中で、あれもこれもと活用してしまいたくなること、ありませんか?
ここでのポイントは、何のツールを用いて何をしたら必要とする人たちに届き、PRとして良好な関係構築やビジネス展開につなげることができるのか、ということです。
情報を必要とする人たちがどこに存在するのかをもとに、SNSなど今あるツールの中でベストな選択を行い、それらが実現可能かどうかを考えることが、PRプランニングの際にも重要になります。
ゆいさんの場合は、主にFacebookを発信ツールとして活用しているとのこと。なぜなら、ゆいさんの周りでは、広報・PRの課題解決を望む経営者の方がFacebookを利用していることが多く、ゆいさんがPRの専門家としてお役に立てる知識や情報を必要とする人たちに届けやすいからです。
また、ゆいさんは、誰かにとってプラスになる情報をオープンマインドで発信することを大切にしていて、かつ心を開いて相談してもらえる人でありたいという、発信時に意識していることも話してくださいました。
ぜひこの機会に、現在使用しているSNSなどの発信ツールと方法を見直してみてはいかがでしょうか。
ここで、PRライターという職業を自ら発信し、着実にPRしつづけてきたゆいさんのPR活動のその後が気になってきました。独立後5年間で、こんなふうに発展しているそうです。
・活動開始1年後の2016年には、PRライターという肩書で活動する人が増える
(ゆいさん、フリーランスから株式会社itty selectionを設立)
・広報・PRの企業の方からパートナーシップを組みたいというお話をいただく
・ニューヨーク留学時代にお世話になった現地の経営者の方や日系企業の方をはじめとする海外のビジネスパーソンの方々に、これまで発信してきたPRライターに関するWebコンテンツやSNS投稿が目に留まり、国内外のお客さまとお仕事ができるようになる
・共同通信社が運営する「OVO」などのメディアに取り上げていただく機会が増える
・PRライターという職種で自社採用する企業が増える
このように、PRライターに関する情報発信やイベント開催、講座立ち上げを通じて、PRライターの価値が社会に伝わっていったことを知れると、レポートを執筆しながら感慨深い気持ちになりました。
レポートを執筆して
ゆいさんが独立する前に何を思い、PRライターという職業をどのようにPRし、ビジネス展開してきたのかをレポートを執筆しながら深めることができ、わたし自身もPRパーソンとして、また個人として活動していくための勉強の機会になりました。
誰に何を届けるための記事なのかを考えることや構成づくりの重要性、フィードバックをいただくことで自分のライティングスキルの現在地を知ることもでき、スキルアップにつなげていけそうです。
また、自分らしい仕事・働き方を実践するためには、自分がどういう方とお仕事をしたいのかを考えることも大切。その上で、今取り組んでいることが次にどうつながるのかといったビジネス展開を考えたいと思います。
今期の講座の期間も残りわずか。チューターとして受講生の皆さんをサポートさせていただきながら、自らも成長していけるようにがんばります!
(執筆:柴田 惠津子)
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