メディアに取り上げられるためには?取材や報道につなげる広報・PR活動「メディアリレーションズ」の基本~第4期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座より~

皆さん、こんにちは。itty selection主催の広報・PRプランナー&PRライター養成講座の修了生でチューターの柴田惠津子です。

4期めになる本講座では、自らの受講経験やPR活動のノウハウなどを活かしながら、受講生の皆さんの学びをサポートさせていただいています。

さて今回は、講座内でレクチャーさせていただいた広報・PR活動の1つ「メディアリレーションズ」の基本についてお伝えします。


メディアに取り上げられることは、ファンを増やせるチャンス

会社や人、商品やサービスなどを、テレビや新聞、雑誌などに取り上げてもらいたい、と考えたことがある方は多いはず。メディアの番組・記事を通じて、広く報じてもらうための活動を、広報・PR業界ではメディアリレーションズといいますが、知っていましたか?


メディアリレーションズとは、テレビや新聞、雑誌、ラジオ、ネットメディアなどの記者・担当者の方と関係を構築すること。メディアを通じて、多くの人に情報を届けることができれば、ファンを増やす機会にもなります。

そもそもPR(Public Relations)とは、自分の周りのすべての人や社会との良好な関係を構築することによって、ビジネスや活動の中長期的な継続・発展にも貢献することです。


PRの中のメディアリレーションズの価値は、メディアを通じ、人や社会との信頼関係を深める機会になります。メディアの記者・担当者といった第3者の目を介した客観性のある情報は、視聴者・読者から信頼や納得感を得やすいなどのメリットがあるからです。広く、多くの人たちに知ってもらうことで、ファンを増やす機会にもなります。


インターネットが普及し、オンラインメディアによる情報発信の効果が高まっていますが、テレビや新聞などの従来のマスメディアの影響力もまだ高く、情報の質の高さや社会への信頼性を維持しています。

今、リモートワークなどで場所にとらわれずに働く人が増えていますが、たとえば各地域で活動する企業や個人の方が、地域密着性のある地元のテレビ番組や新聞に取り上げられることも、地域での認知向上やファン増加、人や社会との信頼関係を深めるなどのきっかけになるかもしれません。

こうしたマスメディアを含むメディアを通じた発信活動は、広報・PR活動の1つとして価値が高いので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。


メディアに取り上げてもらうためには、きっかけをつくろう

メディアに取り上げてもらうためには、きっかけをつくることも大切です。メディアリレーションズの具体的な方法のうち、代表的なものをいくつかご紹介しますので、広報・PR活動に活かしてみてください。


・プレスリリースの配信

ニュース性のある新情報をプレスリリースとして公開し、メールやFAX、プレスリリース配信サイトなどから、メディアや記者・担当者個人に向けた情報提供を行う方法です。情報提供先は、メディアの公式サイト、もしくは編集部や代表の電話番号に問い合わせて確認してみましょう。

・メディアプロモート

特定のメディアや記者・担当者に向けて、記事の切り口を企画提案する方法です。メディアにとって最適な情報素材を準備した上で、記者・担当者の方と直接電話やメールでやり取りしながら情報提供・企画提案をしてみましょう。

・メディアキャラバン

メディアに巡回訪問して、PRしたい商品・サービスなどを説明・紹介する方法です。情報素材を準備し、記者・担当者の方に訪問のアポイントメントを取ります。訪問当日は、説明用の資料や商品サンプルなどを持参し、メディア側のニーズもヒアリングしながらお話できるとよいでしょう。

・記者発表会・PRイベント

メディアの記者・担当者を招待して、新商品・サービスなどに関する発表や説明、質疑応答、体験などを行う方法です。招待したいメディアの記者・担当者を選定し、取材案内状をメールやFAXで送付します。送付のほか、電話で直接お声がけをすることも参加率を上げるために有効です。

・プレスツアー

地方自治体、商業施設、工場などの施設にメディアの記者・担当者を招待して、見学・体験などを行っていただく方法です。タイムスケジュールや見学・体験の仕方、撮影可能場所などを設定し、移動・食事・宿泊を含む場合は手配も必要です。


このようにメディアリレーションズにはさまざまな方法がありますが、どういうメディアと、どうやって関係を構築し、メディアを通じてどんな形で発信され、結果どうなったらベストなのかを、広報・PR担当者、メディア、視聴者・読者・社会の三方よしを考えて実行することが大切です。

数多くのメディアに情報提供をして、取り上げてもらうことだけをゴールにせず、人や社会との中長期的な関係構築や事業の継続・発展につなげていくなどのPR視点を持って取り組みましょう。


メディアの番組・記事を研究しよう

メディアリレーションズにおいて、今からでも取り組めることは、メディアを知ることです。地道ではありますが、さまざまなメディアの番組・記事のチェックや研究、分析などを楽しみながら行ってみてください。


メディアについては、信ぴょう性とともに、人や社会との良好な関係構築につながる情報を発信しているのか、番組・記事については、紹介のされ方や、傾向、雰囲気などをチェックしてみましょう。読者層やPV数などの基本情報は、メディアの運営会社の公式サイトなどから閲覧できる場合もあります。


メディアの記者・担当者の方に番組・記事の感想をお伝えしたり、相互に情報交換をしたりすることもおすすめです。気になった番組・記事があれば、番組のクレジットや記事の署名から記者・担当者名とともにメモを取り、コンタクトの際にも活かすとよいでしょう。


メディアの立場ならどんな情報を取り上げたいと思うのか、メディアの立場になって考えてみることも大切です。メディアは、視聴者・読者にとって求められる情報、有益な情報を取り上げたいと思うはず。

だからこそ、広報・PR担当者がしっかりとメディアを知ることが重要です。その上で、視聴者・読者・社会にとって価値のある情報提供を行うことができれば、メディアとの良好な関係構築につながり、報道の可能性も高まります。


また、メディアの背後には、多くの視聴者・読者、消費者、顧客、株主などの直接的または間接的に影響が生じる人たち、社会の存在があります。広報・PR担当者や取材を受ける企業の代表者の言動やふるまいが、メディアを通じて発信されることで、人や社会との関係構築にも直結します。

PRパーソンとして、メディアを含む自分の周りの人たちとの良好な人間関係を構築できるコミュニケーション力や人間力も磨いていきましょう。


レクチャーを終えて

皆さん、いかがでしたでしょうか。自らのPR経験をふまえて、メディアリレーションズがPRという関係構築をもとに成り立ち、人や社会との信頼関係の構築につながるという価値や方法、まず何から始めたらいいのかなどをお伝えさせていただきました。

専門的なことではありますが、メディアを通じたPRにも可能性を感じていただき、活かせることがありましたら幸いです。


本講座では、自らのPR経験を活かしてレクチャーやアドバイザーをさせていただき、レポート執筆にもチャレンジすることができました。受講生の皆さんをサポートさせていただきながら、わたしもスキルアップに努め、自分らしい仕事や働き方、生き方にチャレンジして、成長していきたいと思います。

(執筆:柴田 惠津子)