PR初心者向け。プレスリリースとは? 配信できる情報・できない情報

今回はitty selectionのPRプライベートレクチャーから、株式会社story⁷s base小松田久美が「プレスリリース」についてお伝えしていきます。


企業がPRを行うなかで、必ずといっていいほどプレスリリースは施策候補にあがってきます。イメージ的に会社からのお知らせであることは何となく分かりますが、具体的にはどんなもので、何ができるPR手法なのでしょうか。



マスメディアへのお手紙から、世の中に向けたお知らせまで

まず、プレスリリースは基本的に法人しか発行することができません。PRについての世界的な標準ルールとして、“企業からマスメディアや世の中へ情報を公開する、もっとも公式な方法”であると認識されているからです。


法人格しか発信できないからこそ一次情報として信頼性があるニュースと判断されます。そのため、テレビや雑誌などのメディアに取り上げられる可能性も、世の中の人たちからの信頼も高いツールであるといえます。


情報としての価値が高いために、上場企業であればリリースの内容によって株価が大きく動くことさえ起こります。

内容にもよりますが、万が一発行済みの内容に大きな間違いがあれば訂正リリースが即座に打たれるほど、会社にとってプレスリリースは大きな意味をもつのです。

では、どんな情報を発信すればいいのか、また、どんな情報は配信できないのか、を見ていきましょう。



プレスリリースは「新しい情報」を伝えるもの

プレスリリースは、簡単にいうと、企業が新しい商品やサービスをつくったときや経営情報が変更になったときなどにお知らせをするものです。以前はFAXを使ってマスメディア宛のお手紙として送ることがメインの方法でした。


しかし、近年ではプレスリリース配信サービスがいくつも生まれ、Web上で公開することができるようになりました。

プレスリリースは「新しい情報」を伝えるものであるため、以前から継続しているできごとについて掲載することはできません。何度も同じことを伝えることもできないのです。


たとえば、創業時からの人気商品を改めて紹介するために記事を作成し、配信を行うことは許可されていません。会社の沿革など新しい情報が含まれない記事も作成できません。

けれども新しい情報を主として配信し、補足情報として伝えたい内容を記載することは可能です。


たとえばこれから実施する10周年記念のセール告知をメインに書き、そのなかで創業当時から人気がある商品に触れる程度であれば問題はありません。

ただしメインであるはずの内容以外が強調されすぎていたり、プレスリリースとしてそぐわないと判断された場合には、配信サービス運営会社から差し止めを受けることもあります。


さらには「プレスリリースとしてのふさわしくない情報」を配信してしまうことで、受信したメディア側から今後リリースを読んでもらえなくなる可能性も出てきます。

内容については“受け取る側がどのような情報を必要としているか”という目線を大切にしながら、作成しましょう



プレスリリースは、テレビや雑誌などの出演情報のみでは掲載できない

もしもテレビ番組への出演や、雑誌などでの取材があった場合には、「あの番組で取り上げられた商品です!」と告知をしたくなりますが、テレビ出演に関しては大きく掲げられないルールになっている配信サービスが多いです。

あくまでプレスリリースは“企業自体”のニュースをお知らせすることが目的であるため、それ以外のことを強調することはできません。


また、たとえば実際に放送の事実があったとしても、必ず番組側に掲載の許可をとることが必要になります。先方から掲載OKが取れてはじめて補足情報として付け足すことが可能になります。

テレビなどには著作権が存在するため、プレスリリースに限らず、WebサイトやSNSでのお知らせの際にも、しっかりと確認を取りましょう!



プレスリリースは「事実」を発信するもの

プレスリリースは、広告とは目指すゴールが異なります。

広告ではテレビや雑誌などの広告枠を購入したうえで、その中であれば企業の伝えたいメッセージを自由に発信することができます。

しかし、プレスリリースは決められた書き方に沿って、事実をお知らせすることが目的のツールです。そのため大げさな表現や、数字などを多めに記載することもできません。


PRを代行する会社ではリリースの発行を行う際には標準的なルールにもとづいて、メディア掲載につながる反響や、伝えるべき人に伝わることを狙いながらも、クライアントに不利益が及ばないようにリスク対策を行っています


配信作業自体はむずかしいものではないので、気軽にプレスリリース配信をはじめる企業が増えましたが、専門家のフィードバックを得たり、専門家に依頼することが会社を守ることにつながります。


株式会社story's base

プレスリリース「日本唯一の、セブ島専門PR・広報代行サービスを展開する「株式会社story’s base」を設立」

(執筆:株式会社story's base 小松田久美)