どんな分野にも活かせるPRのスキル。コミュニケーション力だけじゃなく人間性も磨きつづけられるPRパーソンとは〜第4期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第1回より〜
私は、子どもが生まれたことをきっかけに食への関心が高まり、オーガニック食品会社の業務サポートをしています。「企業が大切にしている想いを伝えたい」「必要としている人に価値ある情報を届けたい」と考えていたところPRに出会い、関係構築や信頼をベースにした考え方であることに非常に興味を持ちました。
現在は海外(アジア圏)に住んでいますが、日本に戻ったら、地方など、どんな場所でも自分の興味や適性を生かした働き方を実現させたいと考え、この講座の受講を決意しました。
講師の方々やチューターさんは、フリーランスや複業で、既にPRパーソンとしてご活躍されている方ばかり。実践的で具体的な内容を学べることもこの講座の魅力です。
今回はオンラインでの参加になりますが、PRを体系的に学びながらアウトプットすることをとおしてPR視点を身に付け、今後のキャリアを模索しながら学びを深めていきたいと思います。
PRって何?PRを学ぶことで仕事の幅や可能性が広がる理由とは
PR(Public Relations)とは、もともとアメリカの政治の場で生まれた言葉だそうですが、現在ではビジネスの場において、「すべてのステークホルダーと長期的な関係を構築することで会社を発展させていくための行動基盤」と定義されています。
すべてのステークホルダーとは、お客さま、社員、株主、社会、世の中など、関わるすべての関係者のことを指します。
これとは逆に、関係構築を大切にしない方法とは、嘘や脚色などで誇大に広告したり、不安をあおって購入を決断させたりする方法などがあります。
しかし、このような方法で一旦は購入に至ったとしても、リピートして購入を続けたり人におすすめしたりすることは難しいですよね。「PR=ファンづくり」、と言われるのも、長期的な信頼関係を大切にしているからこそ。
PRを学ぶことで、相手を思いやったコミュニケーションや、必要な情報を的確に伝える力を身につけることができるため、ビジネスパーソンとしての基礎力を磨くことができます。
そして、直接PRを仕事に生かすだけでなく、PRのスキルを持っていれば、興味のある業種にチャレンジすることもできます。そのため、フリーランスや会社員、複業などどんな働き方でも、また誰にとってもPRのスキルは強みになります。
講師の方が「PRのスキルがあることで、自分がやりたいことが見つかったとき、何にでもなれる」とおっしゃっていたのも印象的でした。
すべての関係者と長期的に信頼関係を構築しながら社会に価値を提供し、お客さまに喜んでいただきながらビジネスとしても発展していけるPR。
次は、そのPRを実践するためのツールと、PRプランナーやPRライターの役割についてみていきましょう。
需要が高まるPR。PRプランナーとPRライターについて
具体的に、PRを実践するためのツールにはどのようなものがあるでしょうか。
オンラインでは、SNS、コーポレートサイト、プレスリリース、メールマガジン、オウンドメディア、ブログなど。オフラインでは、イベント、展示会、チラシ、書籍、メディアリレーションズなどが挙げられます。
PRプランナーが行うべきことは、それらのツールを使い、その企業のフェーズ、ターゲット、予算や目的に応じて適切な施策を選び、組み合わせ、中長期的なプランや戦略を立てることです。
また、PRのなかでライティングが必要となったとき、最適な場所で必要な部分の記事を書くのがPRライターの仕事です。
ただ一方的に情報を伝えるのではなく、お客さまと読者との間に入り、SEOの知識やアクセス数などさまざまな情報に基づき文章で関係構築をしていくのが、PRライターの特徴です。
現在ではWeb上でPRをする機会が増えたため、よいコンテンツをつくるためのPR視点を持ってライティングができる、PRライターの需要が高まっています。
また、これまで一方的に情報を受信や発信することが主流だった時代から、SNSなどで相互にコミュニケーションをとりながら関係を構築していくことが注目されています。
ライティングをする際にも、そもそもトピックとして社会に必要とされているのか、また誰かの価値を下げるような表現をしていないか、というPR視点を持つことが大切だと学びました。
本当に価値のある情報を発信したい、受け取りたい、という世の中が求めるものに応えられるのがPRであり、その需要は更に高まっていくことが予想されています。
「広告」「PR」「メディアリレーション」とは。時代の流れをつかみPR視点を磨いていこう
世の中からPRが求められている一方、「広告」と「PR」を混同してしまっている方も多いのではないでしょうか。両者の主な違いは、第三者視点や客観性にあるといわれています。
たとえば、テレビやインターネットにおける「広告」と「PR」との違いでは、「広告」とはテレビCMやインターネット広告などの「枠」を購入し、その枠の中で自由に発信することができるものです。
それに対し「PR」とは、自社の製品やサービスなどの情報をテレビ番組やWebの記事のなかで紹介されることを目指します。その場合、記事化するのはテレビのディレクターやプロデューサー、新聞の記者などです。このように第三者を介して情報を届けることで、情報に客観性が出て信頼が増すといわれます。
インターネットが普及する以前の、情報を広く発信することができるツールとしては、主にテレビ、新聞、ラジオなどのマスメディアに限られていたため、企業の広報部は「メディアリレーション」といって、どのようにしてマスメディアに情報を取り上げてもらうかということに重きを置いて活動していました。
しかし、今ではインターネットやSNSを使ってより広く情報を届けられ、しかも一方通行でなく相互のコミュニケーションも取れるようになってきています。
また、現在は、趣味嗜好が多様化している時代のため、無作為に広く情報を広げるというよりは本当に伝えるべき人にきちんと届けることが重視されるようになったそうです。
このような時代の流れを捉えておくことで、次にどんな時代になるのか、本質的に何が必要となるのか予想を立てられるようになり、そのことがお客さまや自社にとって最善の選択をすることにつながるんですね。
フリーランスへの準備にもなる、PRにも通じる他者紹介のスキル
講座中に、受講生同士がペアになって行う他者紹介の時間がありました。私は電話越しにヒアリングして発表しましたが、実際に感じた相手の魅力を、的確な言葉で伝えることの難しさを感じました。
「他者紹介をとおしていかに相手のことを魅力的に紹介するか、というスキルを突き詰めてほしい」と、講師のゆいさん。
また、「『この人素敵なんですよ!』というのは、熱量も込められるし比較的簡単なのかもしれない。しかしフリーランスとして働く際には、『私って素敵なんですよ!』という部分もちゃんと見せていかないといけない」という言葉に気持ちが引き締まりました。
相手とよい関係を築いていくことは、自分のことを伝えずして成立しません。私はつい聞き役に周りがちですが、ここでもPRの基本である双方向のコミュニケーションが大事であることに気づかされました。
さらに、このような発言の機会や仕事での商談の際に、いかに相手に信頼してもらえるか、話しやすそうだと思ってもらえるか、という印象を持ってもらうことも大切だと教わりました。仕事のきっかけをつかむためにも、「この人と一緒に仕事をしたい」と思ってもらえることが、スキルのひとつになることがわかりました。
第1回目の講座を終えて
「PRって知れば知るほど素晴らしい!」というのが、濃厚な4時間の学びの後に、最初に浮かんできた言葉でした。
書くことや話すこと、与える印象などから「伝える力」を身につけることは、どんな仕事にも役立つだけでなく、人間力やコミュニケーション力の向上にも必ずつながります。
また、PR視点を磨いていくことで、普段目にする情報の背景を考えその質を見極めることができるようになるため、発信する力だけでなく良質な情報を受信する力もついてくるのではないでしょうか。
日頃から目にするものに対して、ターゲットはどんな人たちで、どんなブランディングをして、何のためにこの手法をとっているのか、という疑問を持ち考える習慣をつけていきながら、インプットとアウトプットを繰り返していきたいと思います。
(執筆:PRライター Hitomi Fukuoka)
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