逆境を楽しみに変える力を学ぶ。ニューヨークを中心に9つのグループ会社を持つ経営者が働く上で大切にしている3つのこと~Amnet New York Inc. 代表取締役 中川扶二夫さん~NY研修レポート

itty selectionが2018年9月に主催したNY研修では、たくさんの日本人経営者の方のお話を伺い、さまざまな刺激をいただく機会がありました。その中の1人が、NYで9社ものグループ会社を経営する、中川扶二夫(なかがわ ふじお)さんでした。


中川さんとは、NYのスペインレストランにて、ディナーをご一緒させていただきました。冗談なども交えながら、始終優しい笑顔で場を盛り上げていただき、そして、アメリカで、ニューヨークで活躍したいと思っている日本の人々の夢を、できる限り応援していきたいという気持ちが、会話の節々から伝わってくることがとても印象的でした。


その中で中川さんがお話してくださった、なぜアメリカなのか、これまでの逆境をどのように乗り越えてきたのか、そして今後の野望について、Erina Jenna. Hがアメリカで働くことに関心のある皆さんへレポートをお届けしたいと思います。



アメリカで働くことはチャンスでしかない

中川さんは、アメリカの各地や日本で何社もの会社を経営している大物であるにもかかわらず、とても気さくな方で、食事中、私たちのことをとても気遣ってくださいました。そんな和やかな雰囲気の中でお話をお伺いできたことは、大変貴重な時間でした。

ご自身がアメリカに来られた経緯や、なぜ起業したのかのお話からしてくださいましたが、印象に残っているのは、理由は全て「面白そうだったから」ということ。シンプルにそれが中川さんの原動力。


そして、アメリカは実力主義。挑戦する人への扉は日本より開いている環境があるということです。さらに、日本にいれば周りもみんな日本人ですが、ニューヨークはたくさんの人種が住む街。さまざまな考えを受け入れてくれる土壌があります。


特に日本人同士では、お互いの足を引っ張るというよりも、助けてくれる人がたくさんいるということでした。

「アメリカで起業をして成功している人はたくさんいる。だからアメリカに来たいと思っている人にはぜひ来てほしい」と中川さんはおっしゃいました。もちろん、全員が成功できるわけではありません。

でも、中川さんのように、自分がどういうことをしていきたいのか、どういう人生が理想なのかを考え、さらに自分の成功を社会に還元し恩返ししていくという気持ちを持つことが成功につながるのかもしれないなと、私も背中を押されたような気持ちになりました。



「人」を大事にすることが自分を成長させる

中川さんのお話の中で、常にあったキーワードは、「好き」と「楽しみ」。

自分の「楽しみ」とはなにかを常に追求することが人生を楽しくすると、満面の笑顔で話してくださる姿は本当に生き生きとしていて、心から今の生活を楽しんでらっしゃるんだなと感じました。


そんな中でも、逆境はあったとのこと。世界を恐怖に包んだ9.11の出来事はとてもショッキングなことで、同時にビジネスについても境地に立たされたとのことでした。しかし、その事件をきっかけに、逆にさまざまな会社を立ち上げ、多くの人の可能性を広げてきた。


また、リーマンショックも経験されている中川さん。しかし、そのときにも、「ゼロになることは怖くなかった」とお話されていました。「リーマンショックのようなものはまた来るかもしれない。

でも、元々ゼロからここまでやってきた。だから、また社員と一緒にゼロから作り上げればいい。」と、笑顔の中にある力強さに圧倒されたことを今でも覚えています。


中川さんがそのような状況の中でも常にポジティブに事業を大きくしてこられたのはなぜか。最も大事にしていたのは「人」だったそうです。

お話の中から、中川さんはいつも人のために必要なことを考え、助け合い、たくさんの人を巻き込みながら会社を大きくされてきたんだろうなという印象を受けました。

人を大事にすることが、中川さんの「楽しみ」の1つであり、だからこそ中川さんについていきたい!と思う人がたくさん現れる。そんな素敵なサイクルを自ら生み出しているんだと感じました。


そして、今後についても、「未来に向けて、みんながあっとおどろくビジネスを作りたいんだよね!」と少年のようにお話される中川さんの姿に、私も将来こういう人になりたい!と思いました。



自分の人生を豊かにするために本当に必要なことを考える

仕事一筋に見える中川さんですが、1番大事にしているのは仕事ではないのだとか。「休むときは休むよ。1に健康、2に家族、3に仕事かな」。健康と家族なしでは、仕事も上手くいかないのかもしれません。

また、それは社員の方々に対しても推奨されているようです。心のゆとりもなく働き続ければ、いつか疲弊して心も体もボロボロになると思います。


私は仕事が好きですが、働きすぎて心身ともにつかれてしまった経験があるため、中川さんのような経営者の言葉だと、いっそう身に染みる思いでした。

社員が中川さんの会社で心もカラダも元気に働けるよう、仕事以上に、自分の人生を豊かにするために必要なことは何かを考え、筆頭となって自ら実践されているのだと感じました。


そして、中川さんはご自身の会社を「家族経営をしている」と言うほど、社員を家族のように考え大事にされていらっしゃるということもお話していただいました。

例えばなにか大変なことが起きたとしても、会社のトップが悲壮感を漂わせていたら、やめた方がいいかもしれないなと思う社員がたくさん出てくる。でも、そんな状況でも、笑顔でみんなと頑張ろうという気持ちでいられたら、ついてきてくれる社員もいる」と。


単に「仕事をする」前に、一緒に働く人のために何ができるか、働く環境をどのように良くできるか、そしてどんな仕事だったらみんなが楽しくできるかという考えで、数々もの会社経営を成功に導かれてきた。

そして、それが今後もさまざまな業種のビジネスを発展させる可能性を引き出すカギであるのだと学ぶ、なんとも有意義で素敵なNYの夜となりました。


私は、自分では、ふだん人のことを考えているつもりでいましたが、中川さんの心の大きさに触れ、もっと相手や社会のためにもできることがあるのかもしれないと思うようになりました。

何か新しいビジネスを生み出すとき、それは「誰かのため」になっているべきだと思います。これからもっと自分の考えを掘り下げ、自分は誰のために何をしたいのかを考えていきたいと思いました。



<関連情報>

Co-nnections press連載「ニューヨークで働きたい!は、絶対に叶う。20年間9社を経営する起業家に聞いた「NYでビジネスをする」ということ~Aグループ 中川扶二夫 社長~」

Peatixグループ「ニューヨーク文化から”自由なキャリアを創る”コツを学ぶ、トークイベント」


(執筆:PRライター Erina Jenna. H)