読んでもらえる記事にするには?読者ファーストの視点で、ターゲット設定、構成づくりを考えよう~第6期広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第2回レポート~

こんにちは。セカンドキャリアでフリーランスを目指しており広報・PRプランナー&PRライター養成講座を受講中のSayuriです。第1回目の講座のレポート執筆では、「記事を書いたけど、伝えたいことが上手くまとめられない」「タイトルと本文の内容がずれてしまい、論点が定まらない」というもどかしさがありましたが、これらはPRライティングの基礎ができていなかったからだと今回の講座で気づきました。


第2回目の講座では、ぶれない軸でどのようにライティングを進めていくかを学びました。その中のグループワークでは、お肌に良い入浴剤を買ってもらうための記事制作という想定で、ターゲット設定を考えました。

このテーマに沿って、読んでもらえる記事づくりのコツ、PRライティングの基礎について、レポートしていきます。


誰に届けたいのか?届けたい人のライフスタイルを想像できるくらい具体的なターゲット設定をする

PRライティングにおいて、まずはターゲット設定をすることが重要です。講座内のグループワークで私たちがテーマに選んだのはお肌に良い入浴剤。それを買っていただきたい人ってどんな人?という、商品のターゲットとなる人物像について、ライフスタイルや属性などを徹底的にイメージします。この人物像をペルソナといいます。


この入浴剤を届けたい人に届けるために、以下のような設定をしました。


・20代後半の1人暮らしの女性

・東京都渋谷区在住

・接客業3年目で、見た目に気を遣う必要がある

・入浴剤を使って入浴するが、メーカーのこだわりはない

・慢性的な肩こりがある


ターゲット設定は、性別・年齢・職業・住んでいる場所・趣味など、その人の属性やライフスタイルを細かく想定していきます。

特徴がたくさんあるほど、ターゲットのニーズは予測しやすくなります。


ペルソナ像を設定できたら、つぎに、製品・サービスへのその人の興味・関心度はどれくらいかを考えます。

3つの層に分けることができ、まさにその情報を探している人を「コア層」、情報に触れることで興味を持つ可能性のある人を「リード層」、いつかその情報に興味を持つかもしれない人を「マス層」と呼びます。


入浴剤を購入してもらいたい場合、ターゲットの興味、関心度を当てはめてみると、以下のようにカテゴライズすることができます。


コア層→まさに入浴剤がほしい!と探し求めている人

リード層→普段入浴剤は使っていないが、リラックス方法に興味がある人

マス層→お風呂はシャワーで済ませ、湯船に浸かる習慣がない人


たとえば「コア層」に向けて執筆するには、この入浴剤の効能や魅力を伝えてターゲットが使ってみたい!と関心度を高くしてもらうことがポイントです。


では「マス層」だったらどうでしょう。普段シャワーだけで済ませてしまう読者を想定すると、入浴することの健康、美容のメリットなどを伝えて、まず入浴することに興味を持ってもらわないと、そもそも記事を読み進めてもらえない可能性がありますよね。


ターゲットの興味、関心度によって記事で伝える情報も異なってきます。ペルソナの心の中までを想像し具体的に設定することで、記事の方向性も決めやすくなります。


読者が読みたい!と思う記事の入り口は、タイトルで決まる

ターゲットが具体的に設定できたら、つぎはゴールを設定します。記事を読んでもらって、最終的に読者にどうなってほしいか?という軸を設定するのです。今回は、記事を読んでもらってお肌に良い入浴剤を買ってもらう!というゴール設定にします。

次は、伝えたいと思っている要素をすべて洗い出していきます。すべての要素を記事に入れるわけではなく、読者ファーストの視点で情報を取捨選択していきます。


ここで、読者ファーストという意味で、PRライティングの重要なポイントの1つであるタイトルについてお伝えします。


何かの情報を得る際、みなさまは普段どんなページをクリックして読んでみよう!と思いますか?

「タイトルに自分の知りたい情報が載っているかも!と思うようなキーワードがあること」「知りたい情報がすぐに見つかるか(結論が先に分かる)」


これらはみなさんに共通しているものではないでしょうか。このように読者の心理を理解した上で、執筆をする側はどうやったら興味を持って読んでくれるのか?を考える必要があります。


とくに記事のタイトルは重要で、最初の10~15文字が記事を読むか読まないかを決める分かれ道となるため、タイトルだけで読者が求めている内容だ!と瞬時に判断してもらうためにキーワードを盛り込むことは不可欠です。

また、SEO(検索エンジン最適化)を意識したキーワード選定をすることなども、PRライティングでは重要な視点。読者がどんなキーワードで検索したら、その記事にたどりつくのか、検索結果で上位に表示されやすいかといったウェブマーケティングの知識も必要なのですね。


記事内の画像や図の挿入などの視覚的なわかりやすさも大切で、読者に「読み進めやすい」と感じてもらいやすくなり、最後まで読んでもらえる可能性もぐっと上がります。


どうしたら設定したゴールに導ける?伝える順番にも工夫を

ターゲット設定、ゴール設定、要素の洗い出しが終わったら、つぎに絞った要素を並びかえます。伝える順番を考えるときに参考にしたい、一般的な購買行動の心理を表したマーケティングの法則があります。商品を買うとき、人がどのようにして購入を決めるのかのプロセスを表したものです。


・Attention(商品やサービスに気づく)

・Interest(興味を持つ)

・Desire(欲する)

・Memory(記憶する)

・Action(行動に移す)


それぞれのアルファベットの頭文字から、「AIDMA(アイドマ)」といわれています。PRライティングでもこの法則は取り入れられます。まずは記事に気づいてもらうためにタイトルやアイキャッチ画像などで記事をクリックしてもらうこと、リード文や見出しで興味を持ってもらい、商品の魅力を伝える、Webサイトのリンクを充実させる……など。


このように、購入するまでの読者の気持ちの変化を想像し、行動を起こしてもらえるよう順番を考えることが、ゴールに近づける大事な要素となります。

私たちが目にする記事は、最後まで読まれないことの方が多いのです。最後まで読んでもらえるような工夫も大切ですが、逆に言うと読者の知りたい情報がすぐにわかり、最後まで読まなくてもゴールに導けるような構成づくりをする工夫も必要ということなのです。伝えたいことははじめに伝える!は鉄則ですね。


ターゲット設定、構成づくり、順番決め、これらの骨組みをしっかりと形成することによって、伝えたいこと、論点が定まり軸のぶれない記事づくりができるのです。


第2回をふりかえって

「PRにはマーケティングに近い思考や経営視点が求められる」という第1回の内容が、PRライティングの基礎を学び早くもこの言葉のつながりを感じております。

いままでもっぱら読者側だった私も、何かを検索した際に「このタイトルが印象的だった」など、だんだんとPR視点でものごとを見るようになりました。日常にあふれているからこそ、日々無意識にアクションを起こしていることに対して目を向け感性を磨いていき、読者ファーストの記事づくりができるようになりたいです。


(執筆:PRライター Sayuri)