PRライティングの要は具体的なターゲット設定と構成作りにアリ!〜第6期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第2回レポート〜

こんにちは。「広報・PRプランナー&PRライター養成講座」第6期生のmariです。第1回目の講座レポートを執筆してみて、早速ライティングの難しさを身にしみて感じました。“自分が伝えたいこと”を書くうちにどんどん論点から脇道にそれていってしまい、読者のみなさまへ伝えるべき本質をブレずに書くことって難しいと思う人も少なくないのではないでしょうか。


第2回目の講座では、そんな悩みへのヒントになる、PRライティングで大切なポイントについてグループワークをもとに学びましたので、その内容をレポートします!


ターゲット設定は綿密に!伝えたい人を具体的にするほど、より伝わる文章に

今回の講義のテーマは、より読者に伝わりやすい文章にするための、書き始める前の準備や書き進めるうえでのポイントでした。そもそも文章を書き始める前の準備段階で固めておくべきことが2つあります。それは、「ターゲット設定」と「構成作り」です。


まず1つ目のターゲット設定ですが、この記事はいったい“誰に”伝える文章なのかという、伝えたい相手を明確にすることが、記事を書く目的を達成するために欠かせないこと。


たとえば、新商品の企画をするとき、この新商品は誰のために作るのか?というターゲット像を、商品生産をはじめる前に決めていると思いますが、文章を書くときでも同じです。

記事をつうじて、伝えたい情報を誰に届けたいのか、相手にあわせて記事の切り口や書き方を変える必要があるからこそ、ターゲットを書く前段階で固めておくことが重要となるのです。


それではターゲットを実際どう設定していくのかというと、「ペルソナ」と「興味関心度合い」の2軸から立てていきます。ペルソナとは、性別、職業、年齢、住んでいる場所、嗜好性など、あらゆる角度から伝えたい相手のことを具体的に設定した架空の人物像のことをいいます。この設定が細かければ細かいほど、ターゲットのニーズが想定しやすくなり、記事をつうじて達成したい目標の実現に近づけるのです。


また、興味関心度合いは、伝えようとしている商品・サービスなどの情報に対して、ターゲットが現時点でどれだけの関心度を持っているのかを設定していきます。大きく3つのフェーズに分けることができます。


コア層:すでに情報に対しての関心度が高く、自ら探しにいっている人

リード層:積極的に情報を探しにいくまでは至らず、情報に触れることで関心をもつ可能性のある人

マス層:まだ情報に対して関心があるわけではないが、いつか興味を持つかもしれない人


こうして、ペルソナと興味関心度合いを設定することで、読者が求める情報を最適に届ける記事の切り口はなにかといった仮説立てができるようになり、より伝わりやすい記事になります。


明確な構成作りがブレない記事を作る一番の近道

次に2つ目の構成作りですが、この記事でもっとも伝えたい論点(ゴール)と文章の枠組み(道筋)を事前に組み立てておくことが伝わる文章に近づくポイントとなります。


ゴールや道筋を考えず、やみくもに書いている文章は「いったい何が言いたいのだろう?」と読者へ思わせてしまうわかりづらい記事になりがちです。記事は読み手に伝わらないと意味がありません。


たとえば、せっかく新サービスのお申込みを目的とした記事を作ったとしても、読者がお申込みをしたいと思う十分な情報が伝わらなければ、お申込みに至ることはありませんよね。わかりやすい文章を作ることは、目的を達成する記事にするために必要なことなのです。


たとえゴールと道筋を最初に決めていたとしても、文章を書き続けているうちに、どんどん論点からズレた内容を書き続けてしまうこともあるため、その都度、最初に設定したゴールや道筋に立ち戻り、書き手が迷子にならないようにすることもPRライターにとって気をつけるポイントとなります。


具体的にどんなことを考えて構成していくべきなのかというと、大きく分けて3つの手順となります。


ゴールの設定:まずは記事を読んだことで、読者にどうなってもらいたいのか、どんな行動をとってほしいのかという、読了後の読者の行動観点で考えることが、より明確な目的(ゴール)の設定につながります。

要素の洗い出し:伝えたいことと読者が求めている情報を漏れなくすべて羅列し、そこからその記事に必要になるであろう事柄を書き出します。事実(ファクト)だけを書き出すのではなく、その事実に至るまでのストーリー背景なども含めると、より読者に興味を持ってもらえる文章が作りやすくなります。

伝える順番の組み立て:洗い出した要素を、読者が読み進める上での心理を考えながら記事の流れを組み立てることで、最後まで読んでもらえる文章に近づきます。


伝える順番のポイントについての詳細はこちらもご参照ください。

>>https://www.ittyselection.com/posts/11939207 (PR講座 第5期生のレポート)


家を建てるときの設計図のような存在である構成を、ライティングする準備段階でつくることで、書きはじめからの目的を見失わない一貫した文章作りにつながるのです。


記事で伝えたい本質は、「読者ファースト」の観点から選ぶ

前段でお伝えした構成づくりで、最初に取り組むべきゴール設定におけるPRライターがつまづきやすいポイントの1つに、「伝えたい事がたくさんあって何をゴールにすべきかわからない」といった悩みがあるのではないでしょうか。この時必要となる視点が、「読者ファースト」です。


記事の中で伝えたいことが複数あるとしても、その優先順位をつけないと読者にとって必要な情報が伝わりにくくなってしまいます。このようなことを避けるために、その記事1本で最も伝えたいことや伝えるべきことにもとづいて、論点を意識する必要があります。

読者がほしい情報は何か?読者にとって有益な情報は何か?といった、読者に寄りそった観点で優先度をつけることが読み手に優しい文章となるのです。


第1回目の講義で学んだ、かかわるステークホルダーとの関係構築をしながらビジネスを発展させるというPRの本質に通ずる部分が、この読者ファーストにはあります。PRライティングにとって重要なのは、届けたい相手に伝わる文章を作ることです。ただ話題になる文章を作るのではなく、伝えたい本質を見極めて的確に文章構成や伝え方を考えられるライティングこそが求められます。


今回学んだ事前の「ターゲット設定」と「構成作り」こそが、その目的を実現するにあたってとても重要なカギとなるのですね。


第2回目の講義を終えて

今回の講義では、実際のテーマをもとにグループの方々とターゲット設定と構成作りの部分を実践しました。1人では思いつかなかった視点も吸収できたり、議論することで改めてターゲット設定の大切さやニーズを想定することの難しさを学ぶことができました。

そもそも私自身、ライティングがあまり得意な方ではありません。でも今回の講義で文章作りの基礎的な組み立て方や大切にすべき視点を学べたことで、これからのライティングに少し自信を持って取り組めそうです。


(執筆:PRライター mari)