フリーランス・複業家のPRライターとして活躍するためのヒントとは?「あなたにお願いしたい」と言われるPRライターをめざして 〜第5期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第6回レポート〜

こんにちは!広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第5期生の渡部夕子です。

カメラメーカーで会社員をしながら、2歳の娘の育児に奮闘する日々を送っています。将来に役立つスキルを身につけたいという思いからPRライティングを学び、無事に講座を修了しました。第1回めから書きつづけてきた講座レポートも、今回がいよいよ最終回。これまでの学びを活かして執筆したいと思います。


さて、コロナ禍で世の中の価値観が大きく変わりつつある今、フリーランスや複業に興味をもち始めた人も多いのではないでしょうか。私もそのうちの1人で、「PRを学べば、仕事の選択肢が広がる」という募集要項を目にしたことが受講のきっかけでした。

第6回めの講座では、「フリーランスや複業家のPRライターとして活躍するにはどうしたらいいの?」という疑問について解消していきました。そこで学んだPRライターの可能性や、フリーランス・複業家として仕事をしていくためのヒントについてお伝えします。


PRライターってどんな仕事?ますます需要が高まるPRライターの可能性とは

PRライターとは、PR視点をもってライティングを行う人です。そもそもPRとはPublic Relations(パブリックリレーションズ)の略で、あらゆるステークホルダーとの良好な関係構築によって事業を発展させていくこと。中長期的な視野で、ファンをつくるといった目標実現のために最適なライティングをする人ともいえます。


Webライターとどう違うの?と思うかもしれませんが、Webライターは文字通り、Web上の記事を執筆する人。PRライターと仕事の範囲が重なる部分もあるので混同しやすいですが、PRライターは企業の広報・PR担当者の右腕として、プレスリリースや企業パンフレットなど、Web媒体に限らず紙媒体も手がけます。


SNSなどの台頭により、以前にも増してPRの手法は多様化しています。テレビや新聞などのメディアに取り上げてもらうことを主な目的とするメディアリレーションズをはじめ、メルマガやブログ、電子書籍、イベントなど、多岐にわたるPR施策を企業のPR担当者が一手に担うのは困難な場合も。

そんな理由から、フリーランスのPRプランナーやPRライターに仕事を依頼することが増えているのです。個人経営の会社や中小企業も、フリーランスにお願いすることで比較的予算を抑えられることも多く、PRを始めやすいというメリットもあります。


PRを学び始めてから、多くの人に愛される製品を世界に届けている人たちについて調べるようになりました。その中で、アップル社の共同設立者であるスティーブ・ジョブズ氏のこんな発言が目に留まりました。「いくら素晴らしいものをつくっても、伝えなければ、ないのと同じ」

講座で学んだように、企業や製品の本当の価値は、届けたい人に届くことによって発揮されるようになるのだと思います。しかるべきターゲットに魅力を伝えていくPRライターは、事業の発展とファンづくりをサポートする重要な仕事。これからますます需要が高まり、活躍の場が増えていくでしょう。


フリーランス・複業家への1歩は、発信することから。実績と自分らしさを伝えよう

需要の高まっているPRライターですが、実際に活動していくにはどうすればいいのでしょうか。講座では、フリーランス・複業家の現役PRライターである講師陣から、リアルな体験談を聞くことができます。そこで全員口をそろえて話していたのが、「発信が大事!」ということでした。

今やインターネットを通じて誰もが自由に発信し、直接仕事を受けることができる時代。フリーランスなど個人で仕事をする人が増えたのも、SNSの影響が大きいですよね。いつどんなご縁があるかわからないからこそ、自分の言葉で活動を伝え、存在を知ってもらうことが大切です。


ここでは、講座で学んだ、フリーランスや複業家として活動する上で意識したい発信のポイントを3つお伝えします。


1.実績を伝える

手がけたライティング実績のなかで、公開可能なものは、SNSなどをつうじて発信しましょう。実績がない人も、経験の有無を問わないライター募集の案件に応募したり、知り合いからの依頼に挑戦するなど、少しずつ経験を増やしていくといいですね。本講座では、講座レポートやプレスリリースなどの執筆を通じて実績をつくることができました。


2.得意分野を印象づける

仕事を依頼する人を探している方に、必要なときに自分を思い浮かべてもらうためには、“記憶に残る”ことも大切。チューターの1人は、SNSやブログで趣味の模様替えについて発信していたところ、インテリア関連の執筆オファーがあったそう。「このトピックならこの人!」とテーマに紐づけて覚えてもらえると、仕事にもつながりやすくなるのですね。


3.パーソナリティを知ってもらう

仕事の話題に加えて、プライベートな面を発信することも効果的だそうです。スキルや実績だけでなく、「どんな考えや想いをもっている人なのか」がわかると、仕事を任せるときにも安心しますよね。挫折・失敗も含めたこれまでの経験や、価値観、趣味などの人間性も伝えることで、共感し応援してくれる存在も増えていきます。


どんなに著名なフリーランス・複業家も、最初は小さな実績から始まった人が多いはず。アウトプットをつづけることで、PRライターとして活躍する未来に少しずつ近づいていくのだと感じました。


「あなただからお願いしたい」と言われるPRライターになるために

最後の講義では、お客さまとの商談を想定したグループワークを行いました。自分がもしフリーランスのPRライターだったとしたら、お客さまからライティングの案件を「ぜひお願いしたい」と言われるにはどうしたらよいかを考えます。


ここで大切だと感じたのは、まず相手の話を傾聴し、課題を引き出すことです。PRライターのミッションは、PR視点に基づいたライティングを行い、お客さまが抱える課題を解決すること。それによってファンを増やし、事業を発展させていくのが最終ゴールです。

自分がその企業や製品の1番のファンとなり、経営者視点をもって、一緒に課題の解決策を考える。その際に、「本当に価値あるものを世の中に届けたい」という真摯な姿勢でお客さまに向き合い、信頼感を醸成することも重要です。


個人の看板で仕事をするフリーランス・複業家にとって、この「信頼感」は欠かせないポイント。PRパーソンとしてお客さまとの信頼関係を構築するのは大前提ですが、スキルや知識への信頼だけでなく、丁寧なやりとり、何かを否定しない言葉選びなど、人としての誠実さが信頼につながります。

「あなたにお願いしたい」と言われるPRライターになるために、お客さまの課題や想いに寄り添い、信頼を積み重ねていくことが大切なのですね。


■第6回めの講座を終えて

沢山の学びがあった講座も、ついに修了しました。思えば募集要項を目にしたのは、育休から復職してすぐのこと。仕事と育児の両立も手探り状態の中、何かに突き動かされるように応募を決めました。


講義以外にも実践に取り組むことが多かったので、主人に娘をみてもらう時間が増え、不満や否定的な言葉を呟かれたことも幾度となくありました。それでも一向に諦める様子のない妻を目の当たりにしたからか、徐々に主人の反応が変わってきたんです。


「やりたいことがあるなら、これから仕事として挑戦してみるのもありなんじゃない?」


「え、今の、誰の言葉?!」と一瞬耳を疑いましたが、行動して本気を示すことでしか、人の心は動かないということを身をもって感じました。


そんな体験も含め、講座で得たものは計り知れませんが、学べてよかったと思うことの1つは、ライティングの「視点」や「考え方」。テクニカルなスキルだけでなく、何をどう書くべきかという視点は、さまざまな場面で応用できると感じています。


遠い未来の話ですが、講座の受講をきっかけにフリーランスをめざしたいと思うようになりました。「母ちゃん、頑張ってるなあ」と娘に言われるような、背中で語る母になりたい。それが新たな目標です。

少しでも同じように考えている人の役に立てればと思い、最後のレポートを書きました。 PRを学んで視野が広がれば、その先に新しい道が開けるかもしれません。みなさんもぜひ、1歩を踏み出してみてください。


(執筆:PRライター 渡部夕子)