これからの時代に自分らしいキャリアを創るヒントとは~「フリーランス・複業家から学ぶ、オンラインでも活躍できるこれからの多様な働き方」Cannpass主催トークイベントレポート

在宅勤務やリモートワークが増えている今、これからの働き方・キャリアについて見つめ直す人も少なくないのではないでしょうか。

2021年1月17日、フリーランスや複業家として自分らしい働き方を実現している女性3名をお招きして、株式会社Cannpass主催のトーク&ワークショップイベントを開催。


「オンラインのお仕事が増えていく、これからの時代でも活躍できる“自分らしいキャリアを創るヒント”とは?」をテーマにお話ししていただきました。


登壇者はPRライターや文筆家として活動しながらPR会社の取締役もされている中西 須瑞化さん、BOOK LAB TOKYO元店長で現在はPeatix Japanコミュニティマネージャーの押切 加奈子さん、そしてフリーランスとして貝殻やサンゴ・琉球ガラスを使った手作り体験サービスを提供されている清水 智加子さん。


それぞれ違う分野でご活躍されている3人のエピソードはどれも興味深く、2時間のイベントは大盛りあがりでした。

登壇者のみなさんがどうやって「自分らしいキャリア」を創っていったのか、イベント主催メンバーの大谷佳菜子がお伝えします。


自分の想いに素直に行動。迷ったときは周りの人に自分の考えを話してみよう

モデレーター:自分らしいキャリアを歩みたい、とキャリアに迷ったとき、まずどんな行動をされましたか?


押切 加奈子(以下、押切):漠然と自分がやりたいと思ったことを、周りの人にたくさん話していました。

私は20代のときには経理など社内のサポート側のお仕事をしていたのですが、「もっといろんな人とかかわる場づくり」をしたいとまわりの友人に話していました。「それって今までやってきたことだよね」と言われて納得したんです。


私は自己分析をしすぎて自分を見失ってしまったので、周りの人から客観的な意見をもらえたからこそ、自分が進みたい方向性に気づくことができました。


中西 須瑞化(以下、中西):私はフリーランスになった当時、自分ができることをがむしゃらにやっていました。

新卒で一度NPO法人に就職したのですが、3か月でやめたんです。退職した当時は大学を卒業して間もなかったので、ビジネススキルや知識もなくて。


そんな中で自分ができることは何かを考えてみたら、文章を書くことで役に立ったことを思い出しました。企画書の文章を書いたり、知り合いに「デザインはできるけど、文章書ける人がいないからちょっと手伝ってほしい」と言われてクラウドファンディングの文章を書いたり。そのときに「これが誰かの役に立っているんだな」と感じたことがありました。


できないことに目を向けるのではなく、自分ができることを何でもやってみることが大切だと思っています。

清水 智加子(以下、清水):私はもともとCADオペレーターという技術職で働いていたのですが、小さい頃からモノ作りが好きでした。

初めて沖縄に訪れたときに沖縄の貝殻を見て感動して、その感動を届けられるお仕事がしたいなと思ったんです。その時たまたま入った雑貨屋さんでアルバイトの募集しているのを見て、私は迷わず「ここで働きたい!」と沖縄移住を決意しました。


両親は驚いていましたね。誰にも相談せずに移住を決めて、突然会社を辞めてきたので。だから移住したあとには家族を沖縄に呼んで、職場や住んでいる環境を見てもらったり、お友だちを紹介したりしました。その結果、両親は「あなたが好きそうな環境だね」と納得をして帰っていきました。


自分の活動を発信したり、実際に見てもらったりすることで、さらに応援してもらえるような環境を作ることができますよ。


どんな場所でも活躍できる人になるヒントは、「自分の役割や価値」を意識すること

モデレーター:どんな場所でも活躍するための心構えや意識している行動はありますか?


押切:自分がやるべきことと、相手にお任せすることを意識しています。

BOOK LAB TOKYOで店長をしていたとき、誰かにお任せすると決めたことは、「みんなで考えて好きなようにやってほしい」と伝えていました。もちろん、何かトラブルがあったときは、自分が店長として責任をとる覚悟のうえですが。


こうして、思いきってお任せすることでチームメンバー同士のコミュニケーションが増えて、組織全体が活性化することに気づきました。

自分ができないことがあっても、逆にそれを得意とする人はいると思います。それなら不得意な部分は得意な人にお任せして、自分の得意なことに全力でチカラを発揮する方がよいと思うんです。

中西:私はどんな組織でも、「自分がここで提供できる価値や役割はなんだろう?」と考えながら行動するようにしていますね。


たとえば私の場合、会議1つでも「私のありのままでいてよい瞬間」と「聞き役に回って、会議全体の流れを把握しながら発言したほうがよいとき」があります。

自分の役割・提供価値については、会社員のときもフリーランスのときも意識していますね。


自分の「軸」となる価値観をキープしながら、その場その場で自分ができることは何だろう?と考えることで、どんな状況でも活躍できる人になれると思いますよ。


清水:私が意識していることは、お仕事を多角的に考えることですね。お客さまやスタッフ、出店している場所の関係者など、さまざまな人とかかわるので、その中でいろんな方向を見ながらビジネスにつながるように意識しています。


たとえば最近、オンラインの手作り体験サービスを始めました。修学旅行で沖縄に来る予定だった高校生がコロナの影響で沖縄に来られなくなってしまったんです。「この生徒さんたちに沖縄を感じてもらいたい」と先生や旅行会社からお話をうかがって、私たちの方からサンゴや貝殻などの材料を送ってオンラインでフォトフレームを作ることにしました。


高校生にはとっても喜んでもらえて、できた作品をカメラ越しで見せてもらったりコメントをもらったりして、とても有意義な時間でした。

このようにお客さまのニーズや状況にあわせて、サービスを改善するなど工夫しています。


ワークライフバランスで大事なのは、自分がチカラを発揮できるベストな条件を見つけること

モデレーター:ワークライフバランスの取り方が気になる方も多いと思います。みなさんは仕事と休暇のバランスはどう取られていますか?


押切:リモートワークだと無限に仕事ができてしまいますよね。だから逆に「休みをどう作るか?」を意識することが大切だと思っています。


特に女性は体調のアップダウンがあると思います。私は自分の体調の変化を把握しているので、体調があまりよくないタイミングでは、なるべくミーティングを入れないことが多いです。

逆に頭が冴えているときは、丸1日打ち合わせの予定を入れるときもありますね。打ち合わせをする日と作業する日を分けて、頭のスイッチを切り替えるようにしています。


1日集中して仕事をするときと、簡単なタスクを短時間で終わらせるとき、そして仕事を全くしないで休むときを自分の中で決めるようにはしていますね。


中西:私はスケジュールが詰まっていることが苦手なんです。だからなるべく1日中予定が入っている日は作らないようにスケジューリングをしています。自分が1番集中できる働き方は何かを考えながら、仕事の予定を入れています


たとえば、私の場合「集中して作業をする日」を設けて一気に書き上げる方が好きなんですよね。だからまずは事前に空いている2日間を「執筆日」として固定しています。自分が心地よく働けるキャパシティをちゃんと把握しておいて、それに合わせてやることが大切じゃないかなと思いますね。


それから私は寝るのが大好きで、1、2時間しか眠れない、というのはあまり好きではなくて。だから十分に睡眠時間がとれて、かつ心地よく仕事ができているかどうかを意識していますね。

自分の大切なものは自分で守る。無限に仕事ができるからこそ、これが大事だと思っています。


清水:私は仕事の流れを1年単位で管理しているため、人の流れを見ながら休みを取っています。

観光業界は夏休みなど一般的に休みになる時期にとても忙しいのですが、他の時期では比較的お休みが取りやすいです。そのような人の流れを見ながら休みを取るようにしています。

それから自分らしくいられる環境に身を置くことも大事だと思います。沖縄には「ウチナータイム」という沖縄独特な時間感覚があって時間の流れがとてもゆっくりなんですよ。これが私にはぴったり合って心地よいです。ワークライフバランスという観点からも、沖縄に移住してよかったなと思っています。


モデレーター:ここまでいろいろなお話をお聞きしましたが、お三方に共通しているのは、「自分の感情や体調の変化を理解する」「自分の想いに素直に行動する」この2点だなと思います。

自分らしい働き方を実現するためにも、この2点から実践していきたいと感じました。本日はありがとうございました。


●登壇者プロフィール

・中西 須瑞化(なかにし すずか)

株式会社morning after cutting my hair取締役・PRライター/文筆家

大学在学時に「生きる選択肢を示せる大人になりたい」と休学し、いろいろな生き方・働き方をしている大人たちへ会いにいきながら全国で諸プロジェクトの企画・運営に参加。独自の哲学と、思想に寄り添い言語化する力を買われ、一般社団法人防災ガールで団体解散までの事務局長を担う。フリーランスとしてPRライター・イベントディレクター・小説家としても活動し、2018年2月からは株式会社morning after cutting my hairの発起人の1人として、「人の心が動き続ける社会」をめざし、社会課題解決に特化した企画やPRを行なう。言葉の力で、人を生かすひとであり続けたい。


・押切 加奈子(おしきり かなこ)

Peatix Japanコミュニティマネージャー

BOOK LAB TOKYO元店長。中学時代、視聴覚行事で観たミュージカルに魅了され、人をワクワクさせる空間づくりに惹かれる。専門学校に通い、バックオフィス業務に従事。

30歳目前に好きなことを仕事にしたいとBOOK LAB TOKYOの店長とコミュニティマネージャーを兼任。

その後、より多くのコミュニティや主催者に触れるべくPeatix Japanへ転職。観光協会などとのイベント企画をきっかけに、2021年より沖縄県との2拠点生活をスタート。

働き方に悩む人のためのビジネス書『ライフピボット』黒田悠介(著)の中で紹介されている。


・清水 智加子(しみず ちかこ)

ワークショップ経営/アーティスト

沖縄在住、フリーランス。小さい頃からモノづくりが大好きで、いつかはモノづくりに携わりたいという夢を持つ。芸術系短大卒業後、東京都内でCADオペレーターとして働く。

2002年、初めて訪れた沖縄で貝殻のアクセサリーを見て興味を持ち、沖縄で働きたいと移住を決意。

より自由度の高い仕事・働き方をめざし、2007年に琉球村とオキナワマリオットリゾート&スパ内に「てぃだ家」を設立。貝殻やサンゴ・琉球ガラスを使った手作り体験サービスを提供している。現在は、オンラインでの体験教室も展開中。


●記事制作

<主催>

株式会社Cannpass

・広報・PRプランナー&PRライター養成講座

<株式会社Cannpass>

PR/キャリア/人材育成の事業をつうじて、企業・個人のみなさまをサポートする企業です。PRを軸に、複業家・フリーランス・女性リーダー育成や、スキルアップ・キャリアアップ支援を行なっています。代表取締役:山崎春奈/所在地:東京都渋谷区。

イベントプレスリリース(※イベントは終了しました)


(執筆:PRライター 大谷佳菜子)