どんな業種でも役立つPRの心構えとは。よい信頼関係を築くために、まず自社や自分を好きになってもらうことから~第5期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第1回レポート~

半年間にわたりPRやPRライターについて学ぶ「第5期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座」を受講している大谷佳菜子です。

私は大学時代にPRやレトリックを学んでいました。それを活かして現在は会社員を本業とする傍ら、複業でPRライターとして記事の執筆や編集のお仕事をしています。


目の前のお仕事に全力投球する毎日でしたが、一度立ち止まってPRやライターについて学びなおしたい、パラレルワーカーとして活躍するための技術を磨きたいと思うようになりました。

講座が始まるまでは「講座の内容についていけるかな?」「他の受講者と仲良くなれるかな?」と考えていましたが、講座を受けてみると、内容が盛りだくさんであっという間に終わってしまいました。

今回はそんな第1回の様子をご紹介します。


ビジネスの発展につながる良好な関係構築はふだんの会話から練習できる

「講座」と聞くと、先生が生徒へ一方的に話すイメージがあるかもしれません。しかしこの講座で印象的だったのは、受講者同士が話し合う機会がたくさんあったことです。

まず自己紹介が終わるとすぐに、受講者の1人とペアを組んで「PRとは何か」について話し合いました。数分後ペアで話し合ったことを持ち寄り、全体で発表をしました。このように小グループで分かれて意見交換することが頻繁に行われます。

またペアになってインタビューし合い、それをもとにパートナーを紹介する「他者紹介」も行いました。


今ふりかえってみると、これらはすべて「PRとは何か?」につながっていると思います。

PRは「Public Relations(公の関係性)」という意味です。利害関係に関わるすべてのステークホルダーと良好な関係構築を維持することで、自社のビジネスを向上させることを目指しています。


今回、受講者のみなさんとは初対面でした。講座内のペアワークをとおして私は、さまざまな人と良好な関係をつづけるためには、相手が「この人と話していて楽しい」と感じるような雰囲気作りやコミュニケーション力も必要だと実感しました。


よいPRをするために、言葉の選び方を意識しよう

講座の後半では、PRライターとはどんなお仕事なのかをPR業界とライター業界の歴史から深堀りしました。

PR業界では2012年ごろから、PRとWebライティングの知識を両方持っている「PRライター」の需要が高まりつづけているのだそうです。


PRでは関わる人たちすべてと信頼関係を築くことが大切なので、PRライターは言葉の選択にも気を付ける必要があります。誤解を招くような言い方や、特定の誰かを傷つけるような表現は避けなければなりません。

たとえば講座の序盤で「PRとは何か」を受講者の1人と話し合ったとき、その人が「PRは『お金のかからない営業』」と言いました。PRでは人との信頼関係がお金と同じくらい重要だと思った私は、その表現に強く共感しました。


しかし全体でこれを共有してみると、この表現では「PRはお金がかからないもの」と誤解される可能性があることを学びました。PRのお仕事にはイベントの企画からプレスリリースの執筆まで幅広いですが、実際はこのお仕事1つひとつにお金がかかっています。

このように自分はよいと思って選んだ言葉も、違う立場の人が聞くとどう思うか、どのように認識するかを深く考える必要があるのだなと痛感しました。


PR目線で見てみると、業務の見方が変わる

「PRは信頼関係を構築するためのもの」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。しかし今回の講座で学んだことは「相手が話しやすい雰囲気を作る」「誤解を招くような言い方を避ける」といった、今日から実践できるようなものでした。


また講座中に、講師の春奈さんやサブ講師、チューターのみなさんのお仕事についてお聞きしました。パラレルワーカー、フリーランスのライター、ラジオ番組をされている人など、業種、職種は幅広かったです。

このようにPRで学んだスキルは、PR業界に限らずどんな職種、業種でも役に立つことを知りました。


またPRでは、経営者の視点で考えることも大切だと学びました。PRの戦略1つひとつにお金がかかるため、「コストをできるだけ抑えつつ効果を大きくするにはどうしたらよいか」と考える必要があるからです。そして会社の外部の人たちとかかわることもあるため、「会社の顔」であることを意識する必要があります。

会社員として働いていると、つい目の前の与えられた仕事にのみ集中してしまいます。しかし自分の業務が会社にどのような影響を与えるのかを考えてみると、業務に対する意識が変わっていくのかなと思いました。


第1回をふりかえって

私は以前、少しだけPRを学んでいました。しかしこの講座ではPRとは?PRライターとは?といった問いかけにうまく答えられず、いかに自分がPRをわかっていた「つもり」になっていたか痛感しました。

PRの手段が幅広くなっている中、今回学んだ「PRとは何か」という定義に立ち戻ることが大切さを学びました。これからPRやライターのスキルを深く学ぶにあたり、どうすれば信頼関係をつづけられるかを常に考えていきたいです。


講師の春奈さんは「失敗から学べることがたくさんあるから、この講座ではまちがえることを恐れないでほしい」とおっしゃっていました。このような環境で学ばせていただけることがとてもありがたいです。これから半年間、知識や経験を自分のものにできるようにがんばります。

(執筆:PRライター 大谷佳菜子)