ニューヨークの起業家やビジネスマンが考えるパートナーシップとは。「間違いはない」「まずはやってみる」が重要!?〜ビジネス経営を考える“一旗会” 勉強会〜NY研修レポート
itty selectionが2018年9月に主催したNY研修で、NY在住の日本人が月に一度、あるテーマをもとにビジネス経営、起業を考える会である一旗会に特別に参加させていただきました。
今回のテーマは「パートナーシップ」。その議論は多岐にわたりました。ふだんなかなか聞くことのできない、実際に経営をしている方々から伺う経験談はとても勉強になりました。
また、活発な議論を交わすことにより、コミュニティ内の信頼の高まりが感じられ、その中の1人として参加できたことにとても感謝。そこからの学びを、Erina Jenna. Hがレポートさせていただきます。
2時間の学びを100%吸収し、自分のものにするという熱気
はじめにメンバーの方より、ご自身の事例を元にしたテーマについてのお話がされました。ご自身の経験から、パートナーとは、次の3つがポイントとなると考えると、クイズ形式で会場のみなさんに問いかけます。
読者のみなさんもぜひ考えていただきたいのですが、次の○○○に入る言葉はなんでしょうか?「頭が良い、性格が良いよりも○○○ことが大切」、「利益の分け前は○○○の基準で決める」、「雇っているようで○○○」。いかがでしょう。
ここでの持論は、「頭が良い、性格が良いよりも、逃げないこと」「利益の分け前は第三者の基準で決める」「雇っているようで実は雇われている」。
解釈としては、お客さんや自分の仕事に対して「逃げない」姿勢がある人は一緒に仕事をしていくことに信頼がおけると感じているということ。
単純に分け前が半分であると、どちらかに何かしらの不満が出てくる可能性があるため、第三者や、参考になる基準などがあれば、それに従って決めた方が揉め事があまりなくなるのではないかという意見。
そして、パートナーに対しては、お客さまと同じように期待以上のものや、付加価値を感じてもらうことで、金額の対価だけではなく、人としてリプレイスできない存在になることが重要だと考えているということでした。
この時点ですでに会場内ではさまざまな意見や質問が飛び交います。
1人ひとりが「今日ここで学んだものをきちんと吸収し、自分の仕事に反映させる」という意気込みが伝わり、普段日本であれば、「そうなんだ」という感想で終わるところを、自分もその熱気におされて、「私の意見や質問はなんだろう?」と、始終、思考回路がまわる時間でした。
大事なのは「人」。いかに働きやすく、夢を追いかけられる環境であるか
全体の人数が30人ほどいたので、ここまでの話を前提に、約10人ずつ、3つのグループに別れ、次のテーマについてそれぞれディスカッションを行いました。
「運営の方向性の違いを防ぐための施策」、「パートナーとは正面から向き合って話すべきか」、そして「法的な契約、責任分担はどの時点でどの程度すべきか」。
私は、1つめの「運営の方向性の違いを防ぐための施策」についてのグループ。このテーマの結論を出す前に、まず「パートナー」とは何か、それぞれの立場での考えをみなさんが共有しました。
最終的に私たちが出した答えは、まず、正面から向き合って正直に話すこと、そして自分の考えを常にまわりに発信しておくことが重要なのではないかということ。
そうすることで、お互いの信頼関係のもと、「一緒にやっていきたいのか」「違うかたちでお互い応援できる立場の方が良いのか」という考えを一緒に導き出すことができる可能性が高まります。
また、人は、自分の人生へのやりがいや目標を求めていて、仕事においても自分と会社のビジョンが同じであることを重要と考えている人が多いのではないか?というところから、金銭的な問題だけではなく、人生を楽しめる、やりがいを持てる環境作りを心がけることが重要なのではないかということでした。
ここで感じたことは、ニューヨークはビジネスにおける競争が高いため、数字にこだわる経営者が多そうという印象がありましたが、本当にみなさんが、第一に「人」「相手」のことを考えていらっしゃるということでした。
もちろん数字は大事にしていると思いますが、それよりも、会社の中でどのように目指すところや気持ちを同じにしていくか、社員が働きやすく、自分の生活に満足し、夢を叶えられる会社経営はどうしたら良いのかということを本気で考えていらっしゃるということが垣間見られました。
「まずはやってみてから考えよう」というNYらしいビジネス論
最後に、3グループ全体が集まり、各グループの代表者がグループ内で話し合ったことを発表する時間になりました。最初から最後までのみなさんの白熱する話し合いに後押しされ、私も、自然と「発表します!」という立場に(笑)。
他のグループからは、パートナーと上手くいかなくなる原因の1つには、「自分が明確になっていない」ことによるあいまいさがあるということ。「シンプル」、「ストレート」、「ショート」というキーワードをいつも心がけることでコミュニケーションが円滑にいくのではという意見。
さらに、そもそもパートナーとは?という定義を議論したグループも。まずは契約書をきちんと交わしているということ、金銭的にもお互い責任を持つということ、そしてそのビジネスで何を目指しているのかという目的を持ち、ダメになるときは一緒だという感情的な責任を持つことではないかということなどが挙げられました。
ただ、環境や状況もそれぞれ違うなか、実際にはやってみないとわからなく、まずはやってみて、そこから考えようよという雰囲気に最終的になったことが、さすがニューヨークスタイルだなと感じました。
そして印象的だったのは、「ここ(一旗会)での発言に間違いはない」ということ。発言することが誰かの参考になったり、それが元でまた議論のテーマができたりする。
つい発言を控えがちな日本の環境でも、ここで感じたことを今後ぜひ持ち帰りたいと考えさせられる勉強会となりました。
<関連情報>
・Peatixグループ「ニューヨーク文化から”自由なキャリアを創る”コツを学ぶ、トークイベント」
(執筆:PRライター Erina Jenna. H)
0コメント