高い目標はレバレッジと数字化で達成。10億人を動かすニューヨーク在住エグゼクティブの最速でゴールへ辿り着く秘訣〜デジタルインテリジェンス取締役(NPO JaNet理事長)榮枝洋文さん〜NY研修レポート

簡単には手が届かない高い目標を達成する、偉業を成し遂げるためには、どうしたらいいのか。

NYで活躍される日本人経営者の方々へお会いし、自分の今後に活きる気づきを得るため、itty selection に所属する有志メンバー8名が、2018年9月にNY研修へいきました。


9月16日に、世界のデジタル広告やマーケティングを牽引する株式会社デジタルインテリジェンス取締役である榮枝洋文(さかえだ ひろふみ)さんの勉強会に参加。

榮枝さんは、大手広告会社の株式会社アサツー ディ・ケイのニューヨーク法人にてCFO兼副社長のご経験も長く、世界中から注目される「タイムズ・スクエアでの年末カウントダウン」イベントを、仕切られていらっしゃいました

この勉強会をとおして、どんな気づきや学びがあったのか。山崎春奈がみなさまへお伝えします。



自力ではなく、レバレッジを活かして大きな目標達成へ


今回の勉強会は、ビジネスやファイナンスの専門的な勉強をする一歩手前の基礎編

高い目標を達成するために大切なこととして榮枝さんがおしゃっていたのは、自力ではなく、人の力を借りて、自分1人ではできない大きなことを実現するということでした。つまり、テコの応用という意味である「レバレッジ」を効かせるということ。


榮枝さんは、ミスター・タイムズスクエアとして有名でいらっしゃいます。

タイムズ・スクエアの年末カウントダウン動員数は100万人、さらにテレビとオンラインを通じた視聴者数は世界中に広がり、10億人に及びました。これだけ多くの人を動かすためには、自分1人の力だけでなく、レバレッジが必要なのです。


日本では、「自力でやること」が美化される傾向があります。自分1人でなんとかしないといけない、そう思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、「誰かの力を借りる」ことで、もっと大きなことに挑戦できる、社会へ大きな価値を提供ができるのだそう。そのためには、力を貸したくなるような人であることも重要だと示唆いただきました。

つまり、何かをしていただいた、受けとったというときに、感謝の気持ちを全力で表現すること。そういった日ごろの姿勢の蓄積が、力を貸してもらえるための信用を生んでいきます。


そして、力を貸してくれた人への感謝の気持ちを、そのまま恩返しするだけではなく、ほかの誰かにおすそわけしてほしいと、榮枝さんはおっしゃっていました。そうすれば、そのよかったできごとが社会にも広がり、さらに力を貸してもらえる人に成長します。



目標は数字で。遠い世界の数字も意識することで、新しい視野が持てる


もう1つ、榮枝さんが、偉業を成し遂げる上で重要とおっしゃっていたのは、具体的な目標を数字で「言う(書く)」こと。

目標達成が遅い人は、目標が漠然としていることが多いと言われます。数字を考える時に大事なのは、遠い世界と思ってしまうような数字にも視野を広げること、と伝えてくださいました。


たとえば、「1,000」という数字が「千」と瞬時に読めても、「1,000,000,000」という数字が「10億」と瞬時に読めない人が多いのではないでしょうか。これは、10億という数字に慣れていないために、自然と自分には遠い世界として片付けてしまっているからなのです。

いきなり10億(10億円や、10億人)なんて、目標としてとても到達できない数字だと思ってしまうかもしれません。でも、その10分の1は「1億」ですし、さらにその10分の1なら「1,000万」と、だんだん身近に感じられます。


つまり具体的な目標数値が決まれば、まず「最初の1%」達成から目指して進む事ができますし、その先には2%、3%と順次にクリアするステップが見えてきます。


「10億」を例として取り上げていただいたのは、10億を目標として設定する意味ではなく、「新しい視野」や「高い自分の可能性」をイメージするための刺激物として、考え方をご紹介いただきました。そして、10億という数字が遠い世界と感じるのなら、NYのように10億の桁を感じられるような場所に行ってみるのも刺激のひとつになる、とヒントをいただきました。



「ま逆」の発想からの選択が、ゴールへの道筋を決める


自分が目指している未来の目標に対して、いま何をすべきか。どんな選択をしたらいいのか。そう思ったときに意識してほしいと榮枝さんがおっしゃっていたのは、未知の世界を認識して広げていくこと。そのためのコツとして、「ま逆」の発想を勧めてくださいました。


いつもとは違う選択をあえてしてみる。厳しいと思う選択をしてみる。いつもの自分では選ばないことを、あえて選んでみる。そして、世の中で当たり前とされていることや、よいとされていることを、疑ってみる視点も大切だそうです。


この、ま逆の発想の例として榮枝さんが挙げてくださったのは、過去→現在→未来の時間軸。多くの方が、このように時間というものは過去から未来に流れていると思っているのではないでしょうか。わたしも、榮枝さんのお話をうかがう前は、そう思っていました。

でも時間は、もともとつかみようのない「概念」ですから、いままでの発想を変えて「未来から流れてくる」と例えて考えることもできます。未来の目標や理想のできごとをイメージすると、それが影響して現在の選択や行動が変わってくるはずです。


たとえば、会計士になりたいけど、過去に資格をもっていないからできないと思うのか、あるいは未来に会計士になりたいという夢が影響して、現在はそこへむかって行動できる、とも考えられます。

この、未来からの時間軸をもとに、将来の目標を描いて、いま何をするのかの行動を起こしていくことで、在りたい自分に近づいていくことができるのです。



榮枝さんの勉強会に参加して。高い山に登るための、スモールステップから始めよう


約3時間の勉強会。一方的な講義ではなく、みんなで考え、思ったことを発言する、活発なやりとりが行われる時間でした。

榮枝さんは、わたしからすると、とても手の届かないような偉業を成し遂げた方。高い高い山に登るための、目の前の一歩をどう進むとよいのかということを教えてくださいました。

頂上まで登りきった人にしかわからない、その途中のステップを、こんなに惜しげもなく、そして分かりやすく伝えてくださることに驚きと感動を覚えました。


今回のNY研修で、榮枝さんのような日本人エグゼクティブの方にお話をうかがったことは、本当に貴重な経験となりました。

なぜなら「いい話が聞けてよかった」では終わらせない、「今日からの自分の未来と、具体的な行動」にまで落とし込むところまでお手伝いいただいたから。そして、この気づきをさらにおすそわけしていこうという思いでレポートさせていただきました。



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(執筆:PRライター 山崎春奈)