効果的なPRにはWebマーケティングの知識も必要。「検索される」「選ばれる」コンテンツづくりのコツ~第2期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第5回より~

PRとは? からスタートしたこの講座も早くも5回目。座学に加えて、商材のプランニングをグループで考えるなど実践的な学びも増え、PRの奥深さとおもしろさを体感しています。


今回の講座のテーマは“Webマーケティング”。

これからのPRパーソンにはwebの知識が欠かせないそうなのですが、Webの知識とPRはいったいどのように結びつくのでしょうか?

PRもWebマーケティングも初心者の山口真依がレポートします!


PRはインターネットの登場で大きく変わった!

PRとは、Public Relationsの略。これはパブリック(すべてのステークホルダー)とよい関係性をつくっていくことで、結果的に売上や成果につなげていくというものです。


以前は、お客さまやこれからユーザーとなる人々との関係構築には、マスメディアで情報を発信するしか手段がありませんでした。だから、PRパーソンはマスメディアと関係を築き、そこで取り上げてもらうことが重要でした。


しかし、インターネットの登場でその状況は激変。ネット上で企業自らメディアを立ち上げたり(オウンドメディア)、SNSなどで個人の情報発信も可能になりました。PRをするうえで、直接お客さまと関係構築ができるようになったのです。

どんな企業も(フリーランスなどの個人も)インターネットでの展開が欠かせなくなりました。そのため、PRパーソンにもWebマーケティングの知識が必要になったのです。


SEOは記事の「質」が大事

突然ですが、皆さんはこのレポートをどのように見つけましたか?

SNSなどから見つけた方もいると思いますが、PRに興味があり、Googleをはじめとする検索チャネルに「PR」などとキーワードを入れて見つけた方もいるかもしれません。

私たちが何か探したいときによく使う方法だと思います。


では、キーワードを入れたときに、どうしたら検索結果の上位に表示されるのでしょう?

ゆいさんからのこの問いに、受講生のみんなからは「SEO対策用のキーワードが盛り込まれていること」「(記事を配信するサイトの)記事の量や更新頻度が多いこと」など、さまざまな意見が飛び交いましたが……。


今インターネットの検索でカギを握るのは、記事自体の「質」

記事の詳しさやSNSでよくシェアされているか、読者が検索したワードに的確な答えを与えているか、などが検索で上位に入るポイントです。

検索するときに利用するGoogleは、検索者に最適で質の高い情報を届けられるよう、年々検索の精度を上げています。


「検索される」って、「選ばれる」って難しい!

PR=関係構築という視点でも、単純な記事へのアクセス数などでは測れない読者との深い“絆”をつくることが求められますよね。この絆のことをエンゲージメントとよびます。

確かに、よく考えてみるとWebで検索したときに示される記事は何万とあることがほとんど。その中で上位に選ばれるのは本当に大変なことだと思いました。

そこからさらに記事を読んでファンになってもらったり、何かを買ってもらったりするのは、簡単なことではありません。


私も仕事でコンテンツの制作に携わっていますが、自分がつくったものはプロダクトとして当たり前に売られる場所が確保されています。そのためか、自分には“選ばれる”モノをつくる意識が足りなかったと感じました。


また、この“選ばれる”という言葉は、実は今までゆいさんから何度となく聞いたキーワードでもあります。

というのも、この講座で学ぶのは単なる広報・PRの知識だけではありません。

フリーランスや海外での活動を目指す人が多く受講していて、自分で仕事をする力をつけるエッセンスも学びます。


自分で仕事をしていくには、「この人と仕事がしたい!」と、まさに“選んで”もらえる人物になることが必須! PRの仕方でも、仕事に対する姿勢でも、「選ばれるための努力」を怠らないことが大事だと実感しました。


Webマーケティングを学んで改めて考える、PR的視点って?

さらに、私が今回の講義で印象的だったのが、Webの記事の成功についてです。

Webでの効果と聞くと、記事へのアクセスが増えたり、「バズる」など短期的に記事が拡散するイメージでしたが、それらはPR的にはあまり重要でないという話に驚きました。


PRに求められるのは中長期的な視点で考え、信頼関係をつくり、サービスやブランドのファンになってもらうこと。

たとえ多くの人の目に触れても、PR対象にいいイメージを持ってもらえなかったり、名前しか覚えてもらえなければ、関係づくりには発展しません。記事がおもしろくても、その印象だけで名前すら覚えてもらえない、なんてこともあります。

そのため、PRライターは記事のリンクまで見てもらえたり、内容にコメントをもらえるくらい、読者に興味や愛着を持ってもらう工夫をすることが大切です。


初回の講座から、PRでは中長期的な視点が大切だと繰り返し学んできましたが、Webマーケティングの視点からこのPRの基本的な考えを見直して改めて理解を深められました。

次回は、今回の知識も踏まえてPRライティングを詳しく学びます。

回を重ねるごとにさまざまな学びがつながり、ますます濃くなっていくPRの知識。残りの講座も楽しみです!(執筆:山口真依)