異業種から2か月で独立を実現。フリーランス初期に大切なのは、小さな計画実行の積み重ねと真摯な姿勢~フリーランスPRライター ひのりほさん~

フリーランスという働き方に憧れがあるけれども、どうやって実現させる?独立後は何をすればよい?と、具体的な想像ができない方も多いのではないでしょうか。


フリーランスPRライターとして活動するひのりほさんは、以前、営業職の会社員でした。もっと多くの企業さまの課題解決に携わりたいと考え、キャリアスクールでのスキル習得を経てパン屋さんのパートからキャリアチェンジを決めました。ライター未経験だったにも関わらず、約2か月で独立しています。

現在、コンサルティング企業や大手健康食品系企業のメールマーケティングコンサルを中心に活躍中のひのさんに、PRライターの根本美紗子がフリーランスとして仕事を軌道に乗せるコツをおうかがいしました。


小さな「できる」に目を向けることが、仕事を選ぶためのコツ


──フリーランスとしてどのような仕事をするか、キャリアチェンジの際に考えるとよい方法はなんでしょうか。

ひのりほ(以下、ひの):「自己満足かもしれないけれど得意だ」と思えることに目を向けてほしいですね。そこに人から喜ばれ世の中に価値を提供できるもの、仕事につながるヒントがあるからです。

過去の経験をふり返って、できたことやほかの人から褒められたこと、普段心がけていることなど、小さなことのようでも強みになるものはたくさんあります。それらを一度すべて洗い出し、書き出してみてください。きっと何かが見えてくるはずですよ。


私は最初、デザインやPCスキルなどの自分ができないことに目が向いていたのですが、読書が好きなことや前職で国語の指導をしたこと、小論文添削の経験などを、新しい仕事に活かせそうだと気づきました。自分がやりたいと考えていた企業さまの課題解決を、ライティングで実現できるのでは、と考え挑戦することを決めたんです。


──独立したての頃、お仕事を増やすためにどのようなことに取り組みましたか?

ひの:自分の経験や知識を少しでも活かせるお仕事を積極的に探し、さまざまな企業さまにアプローチしました。はじめは担当者の方と面接できればOK、もしお仕事につながらなくても「お話できただけでも得るものがある」という気持ちで行動していましたね。


お話の機会をいただけたということは、私に何か、その企業に貢献できるものがあると期待できたからだと考えると、結果的に具体的な案件にならなくても頑張れたんです。また、企業のご担当者とお話を重ねる中で、求められているスキルや自分にできること、今後すべきことを把握し、どうやって目標にたどりつくか逆算して整理できました。


その結果、実家で取り組んできた農業の経験をアピールするようにしましたし、SEO(検索エンジン最適化)の知識を身につけてSEOライティングができるようにするなど、スキルアップも重ねましたね。


3か月先までの計画を立てて実践を繰り返すと、不安が予定に変わる


──フリーランスは将来の見通しを立てづらいと感じる方も多いようです。不安になったとき、どのように気持ちを整えるとよいでしょうか。

ひの:仮のものでもよいので、1~3か月先を見通して仕事の予定や、計画を立ててみることをおすすめします。私の場合は、今担当している仕事を見直して、よりよくできる部分を洗い出し、次にやるべきことを考えていますね。計画を決めたら、実際に動き出していくことで、気持ちを切り替えられるんです。

たとえば、メールマガジンの執筆の仕事であれば、読者への新たなアプローチや、企業の良さをさらに引き出す方法を練ります。アイデアが固まったら、明日、来週、来月と、期間を区切ってどう実行するか細かく決めていくようにしていますね。


未来に対する不安は、やるべきことを考えるきっかけにもなるので、悪いことではありません。ずっと付きあっていくものだととらえて、焦らないことがメンタルを整える上で大切だと考えています。


──お仕事のスキルアップのために取り組んできたことを教えていただきたいです。

ひのさまざまなセミナーや勉強会に参加して、そこで蓄えた知識を繰り返しアウトプットしました。そこで経験した失敗も成功もすべて分析して、学びを得ることを心がけています。


株式会社Cannpass主催の「第5期広報・PRプランナー&PRライター養成講座」で学んだことは、とても役立っていますね。講座を通して客観的な視点から物事を考えられるようになり、お客さま目線に立ってアイデアを提案できるようになりました。


最近では、業務委託元の企業の方からいただく、メールマガジンの開封率やクリック率、メール配信率などの目標数値が上がったんです。成果を上げられたからこそ、さらに期待されているのだと思いますし、これまでの努力が実を結んでいるなと実感します。


自分に合ったやり方や環境で社会貢献できることが、フリーランスの魅力

──フリーランスの魅力や、やりがいとはなんでしょうか。

ひの自分のペースで無理せず働けるのは、フリーランスの大きな魅力ですよね。私は、1人で黙々と考えながら高い価値を提供しようとする職人気質といえる性格なので、ベストな仕事をするためにも、仕事量を調整しやすいフリーランスが合っていると実感しています。


また、1人で行動することが増えた分、お客さまとのつながりやお仕事を得られることに、ありがたさや幸せを感じる瞬間が増えました。メルマガを担当している企業さまのファンが増えた、商談につながったなどと聞くと、喜びや達成感が倍増しますね。

人それぞれさまざまな考え方や価値観があると思いますが、自分が共感できる企業の方を探し、一緒にお仕事できるのもフリーランスの醍醐味です。共に成長しているという実感を得られています。


──最後に、フリーランスを目指す方に対してアドバイスをお願いします。

ひの:まずは、ご自分に合う働き方についてしっかり考えてみてほしくて。どのような生活をしながら仕事をしたいのか、どのような人生を送りたいのかは人それぞれ違いますし、個人の自由ですよね。私のように理想の働き方がフリーランスであると感じたならば、ぜひ挑戦してほしいです。


独立してやっていけるかなと思うこともあるかもしれませんが、小さなことも1つずつ行動に移していくことが、ご自身の成長やお仕事の発展を後押ししてくれるはずです。

重要なのは、「よりよいものを提供したい」「よい結果を出したい」という真摯な気持ちを持ちつづけられるかどうかではないでしょうか。そんな情熱を持ち、自分の強みを活かせるものを探してみてください。


インタビューを終えて

ひのさんへの取材を通して感じたのは、実際に今できる行動をしながら、未来のビジョンを描いてこられた方なのだなということです。思い描いている理想はあってもなかなか行動に移せないということは、少なくないと思います。しかしそんなときこそ、立ち止まらずに動きつづけることが未来を切りひらく一歩なのだなと気づきを得られた取材でした。


(取材・執筆:PRライター 根本美紗子 / 編集:PRライター 神田祐佳)