二拠点生活・地方移住をするなら、まずは観光や短期滞在でお試しを。リモートワークや在宅勤務なら、暮らす場所を選ぼう~Cannpass主催イベントレポート〜

リモートワークや在宅勤務が推奨され、仕事をする環境や住む場所を自由に選びたいと考える方が増えているのではないでしょうか。とはいえ、いきなり移住は勇気がいると感じる方もいらっしゃると思います。


株式会社Cannpassは、PRを軸にキャリア・人材育成の事業を展開。PR講座やPR人材プロダクション運営によって、フリーランス・複業家のスキルアップや実績づくりをサポートし、よりよい働き方・ライフスタイルのための学びの場も提供しています。


今回は二拠点生活・地方移住経験者のゲスト4名をお招きし、ライフスタイルの選択肢を増やすためのヒントをお伺いするオンラインイベントを2021年4月18日(日)に開催。


ゲストは、東京から沖縄移住後に地元新潟へUターンした水澤陽介さん、東京と地元長野の二拠点生活経験者の筒木愛美さん、大学在学中に沖縄移住をしたMina Nagashimaさん、東京と沖縄の二拠点生活をしている山崎春奈さんです。

今回のレポートは、イベント主催メンバーの根本美紗子がお届けします。


のびのびと自分らしく働くことを目指してたどりついた、それぞれの「二拠点生活・地方移住」

モデレーター:ゲストのみなさんが二拠点生活・地方移住をはじめようと思ったきっかけや決断の背景は何だったのでしょうか?


水澤 陽介(以下、水澤):もともと大学進学を機に上京後、4年ほどベンチャー企業で働いていました。仕事は楽しくさせていただいていた一方で、深夜まで働くことも多く、どうしても東京だと仕事の割合が大きくなってしまうと感じていたんですね。のびのびと生活したいと思い、沖縄移住を決意しました。


7年沖縄に滞在し、現地に入りこまないとわからない、その土地ならではの取り組みや活躍している方が見えてきて。でも、地元の新潟にいたときは情報が得られないこともあったので、沖縄で携わってきたライター・編集のお仕事で、少しでも地元に貢献できればと新潟にUターンを決めましたね。


Mina Nagashima(以下、Nagashima):私の場合は移住しようと思って移動しているわけではないんですよ。自分にとって必要な環境や出会いを毎回直感で選んで決断しています

たとえば大分の大学を選んだとき、まわりが東京の大学をめざす中で、自分はそれでいいのかと違和感を覚えていて。思い切って新しい場所に飛び込んだんです。

その後、東京にいるときに、「こうしなければいけない」という見えない固定概念みたいなものから離れようと思い、沖縄移住することにしました。



山崎 春奈(以下、山崎):私は旅行が好きで、国内外ともいろんなところに行っています。コロナ禍で海外旅行に行くのが難しくなってから、働く場所を選ぶという視点で国内での仕事・生活の拠点に目を向けるようになりました。


昨年、沖縄移住準備中の方とつながったことがきっかけで、沖縄へ行くことになり。沖縄は何度か訪れたことがあるのですが、雰囲気も居心地もいいと思える場所を沖縄で見つけたんです。どこかに長く定住する気持ちはもともとあまりなかったのですが、「長期滞在したい」と惚れ込むほどのエリアに出会い、沖縄と東京の二拠点生活をスタートさせました。


筒木 愛美 (以下、筒木):私が東京から長野へUターンしたのは、大きな理由があったというより、いくつかのきっかけが組み合わさっています。大学進学の際に東京へ出て、そのまま就職し、他の地域で仕事をしているときもありました。でも、体調を崩したことがきっかけで、どこで仕事をしたいか考え直すタイミングがあったんです。


そのときに、これまで訪れた日本各地と自分の地元の景色を重ねて、「地元と似ているな」と思いを馳せている自分に気づいて。


30歳を前に決断しておこうという想いや、お試し移住・二拠点生活を推進する長野県の補助金制度「おためしナガノ」に恵まれたことも後押しとなりましたね。そしてたまたま実家の近くに拠点にしたいと思えるコワーキングスペースを見つけたことが、Uターンで暮らしていく楽しさをイメージできた瞬間でした。


二拠点生活・地方移住したからこそ見つかる、新しい楽しさや働き方の可能性

モデレーター:実際に二拠点生活・地方移住をはじめてからの変化を、具体的にお聞かせください。


Nagashima:最初は知り合いもいなければ、どうやって生活していこうという工夫も必要なので大変なんですけど、自分で責任もって決めていける楽しさができました。たとえば、沖縄だと車が移動手段のメインになりますが、私は免許も持っていないので、移動手段から誰かの力を借りないといけなくて(笑)


同じ場所にいつづけると「こうしなきゃいけない」と固定概念をつくってしまうときもあるのですが、拠点を変えていろんな人と出会うと、その都度違う価値観や考え方に触れることができて、解放されるような感覚が毎回ありますね。


山崎:心身ともに、より健康になっているなと思うことが増えましたね。海を見ながら朝ごはんを食べる、お昼休みや夕日の時間に散歩するといった、東京にいるときはあまり気にしたことがなかった自然の流れを軸にした仕事スケジュールを意識するようになったんです。


また仕事に関して、自分の経験やスキルが、想像以上に必要とされているという可能性をひしひしと感じています。東京で競い合うというよりは、自分の力で地方に貢献という選択肢も持ちたいなといった気持ちも芽生えてくるようになりました。

その土地にあった関係構築の方法を見つけよう。相談できる現地の人とつながるのがおすすめ

モデレーター:移住先や新たな拠点での生活になじむために、心がけてきたことはありますか?


水澤:その土地にはないものをつくろうという気持ちが大切ですね。沖縄ではまず自分自身がその地域で足りないと思ったことを、勝手ながら自由にやらせていただきました。その姿を見て、少しずつ賛同してくださる方が現れていったんです。


とはいえ、気温・風土・文化によって住んでいる方たちの性格もガラッと変わってくるので、その場所に合った関係の築き方が必要だと感じます。新潟では伝統のあるお店が多いので、手紙や挨拶文を書いたり、店舗を一軒ずつまわって自分たちのお店を紹介したりと、時間はかかってもいろんな方に自分たちを知ってもらえるよう努力してきました。


筒木:私自身は地元にUターンしたので苦労はあまりないのですが、ほかの地方移住した方たちの話を聞いていると、細かな生活の知恵やルールで苦労されているなという印象があって。ゴミの出し方や地域の行事、どのお医者さまがいいのかなど、地方では東京と異なる部分が多いんですよね。その点で苦労しないためにも、相談できる人を見つけられるといいのではないかなと。


その地域の行政の方とつながるのもいいですし、コワーキングスペースのコミュニティマネージャーさんや地域おこし協力隊で先に移住している人と関わりを持つのもいいと思いますね。最近ではSNSで情報収集をされている方もいらっしゃるので、そのような場所も活用しながら、ちょっとした相談ができる人を意識的に探してみるのもおすすめですね。


まずは観光や短期滞在のお試しから。移住する目的に合わせて、自分にあう場所を探そう


モデレーター:二拠点生活・地方移住を検討されている方に、アドバイスをお願いします。


水澤:自分の性格に合わせて移住先を決めることがすごく大事だと思いますね。私の場合は、移住したいという気持ちを優先して、沖縄は住む家が決まる前に移住したんですよ。新潟へのUターンも、本屋を立ち上げたいという想いが先で。でも、ほかに移住してきた方の話を聞くと、やはり半年以上準備をしたり1年以上何回も訪問したりしてから移住する方もいるんですよね。


住む土地へのさまざまな関わり方があるからこそ、自分に合う選択肢を考えてみるといいですよ。


Nagashima:自分が何を求めているのか知ることが第一歩。自分が今と違う場所に行きたいのは疲れているからなのか、刺激が欲しいからなのかなど、目的に合わせて自然があるところや都会を選ぶということですね。


私のように、住む前に気になる場所に行ってみて、そこが気に入れば、あとは直感や勢いで決めてしまってもいいのかなと。自分で決めたからには、やるしかないといった覚悟がうまれてくると思うので。


筒木:移住はゴールではなく、スタートしてから生活があるものなので、ある程度住んでみたいと思ったら準備も必要だと思いますね。観光で訪れてみるとか、最初は地方の中でも都会に近いエリアに住んでみるなど、いきなりぽつんとしてるところで馴染もうとするのではなく、段階的に住んで様子をみるのがおすすめです。


本当に人それぞれの人生がありますので、ご自身の選択の中から健やかな暮らしを求めていける世の中になればいいなと思いますね。


山崎:私の場合、お試しという視点でも二拠点を実践しているので、いきなり移住というのがハードル高いという方は、二拠点という選択肢がいいと思います。東京のような大都市の生活に慣れていると、交通の便など不便に感じる地域もあるかもしれないですが、そこも含めてその場所にいたいと思えるかどうか、という感覚は重視してほしいですね。


たとえば、沖縄の場合、台風など自然の力強さを感じることが多い地域。私は沖縄の台風シーズンをまだ体験していないので、いい面ばかりに目を向けるのではなく、大変な面も自分で確かめることを試しています。


あと、コスト面を気にする方もいらっしゃるかと思いますが、私の場合、東京生活でかかっていた交際費や服飾の出費が減ったかわりに、自分が居心地のいい場所での生活にお金をかけています。なので、完全に追加コストがかかっているということではなく、お金の使い方を変えたという状態なので、そういった工夫も意識していただくと、二拠点や地方移住が、より現実的にイメージできますよ。


モデレーター:皆さんのお話を聞いていて、ひとりひとりに合ったライフスタイルを求める方がすごく多くなっているんじゃないかなと感じました。そういった方に対して、少しでもヒントとなるようなことをお伝えできればすごく嬉しいです。


●登壇者プロフィール

・水澤 陽介(みずさわ ようすけ)

新潟県生まれ。2013年から沖縄移住をきっかけに、地方でよりよいひと・もの・ことを伝える職種としてライターに出会い、フリーランスを開始。ライターと編集業の傍、2018年からコワーキングスペース「Okinawa Dialog」の運営に携わり、年間200本ほどのイベント運営や企画に携わる。2020年より地元新潟にUターンし、2021年2月、三条市の中央商店街に本屋「SANJO PUBLISHING」を立ち上げ、“まちを編集する本屋”をモットーに本屋さん、喫茶・軽食、編集・制作の3つの事業を育てています。

>>SANJO PUBLISHING (note)


・筒木 愛美(つつき まなみ)

フリーランス広報。1990年・長野県安曇野市生まれ。大学卒業後、都内Webコンテンツ制作会社に入社。ディレクター・編集者として、SNSマーケティング・Webメディア運用支援などに携わる。また会社員として勤める傍ら、非営利団体の広報担当としても活動。2018年1月に独立し、長野県にUターン。フリーランス広報として、企業・自治体・NPOの情報発信支援を行う。長野と東京の2拠点生活中。


・Mina Nagashima

1998年生まれ。立命館アジア太平洋大学3回生。1年半休学をして現在復学中。国内外問わず旅をすることが元々好き。その土地の文化や人の想いを知ることが好きで、大分、東京、大阪、沖縄など拠点を変えながら暮らしている。自分や相手の想いを伝えることに興味を持ち、株式会社itty selection(現在はCannpassへ事業譲渡)の「広報・PRプランナー&PRライター養成講座」を受講。その後、経営者や学生など様々な方への取材や、学園祭のPRにも携わる。現在は、沖縄に住みながらリモートでキャリアデザインに携わる仕事や、心地のよい丁寧な暮らしに関する仕事をしている。


・山崎 春奈(やまざき はるな)

複業経営者・株式会社Cannpass代表取締役。東京外国語大学アラビア語科を卒業後、石油元売メーカーに入社。その後、リクルートキャリアへ転職し新卒エージェントサービスの営業に従事。現在は、会社員として外資系自動車部品メーカーにてマネジメント職を務め、営業補佐や採用、人材育成など多岐に渡る業務をおこなう。並行して、2016年より複業メンバーとして株式会社itty selectionに所属し、PRプランナー/PRライターの活動をスタート。2019年9月に執行役員就任。2020年8月、株式会社itty selectionからの事業譲渡をうけ、株式会社Cannpassを設立。PRを軸とした人材育成・キャリア支援サービスを展開する。


●記事制作

<主催>

・株式会社Cannpass https://www.cannpass.jp/

<株式会社Cannpass>

PR/キャリア/人材育成の事業をつうじて、企業・個人のみなさまをサポートする企業です。PRを軸に、複業家・フリーランス・女性リーダー育成や、スキルアップ・キャリアアップ支援を行なっています。代表取締役:山崎春奈/所在地:東京都渋谷区。


イベントプレスリリース(※イベントは終了しました)


(執筆:根本 美紗子)