PR視点で、読まれる文章に変えられる。“伝わる”PRライティングとは?~第5期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第2回レポート~

こんにちは!広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第5期生の渡部夕子です。もうすぐ2歳になる娘の育児に奮闘しながら、メーカーで会社員として働いています。これからの働き方を考えたとき、何かスキルを身に付けたい、仕事の選択肢を増やしたいという思いから、本講座を受講しています。


第2回めとなる今回は、具体的なライティングについてのお話。PRに携わっていなくても、社会に出ると何かと多いのが文章を書く機会ですよね。

せっかくなら読み手の心を動かす良質な文章を書きたい!そんな思いに対する答えやヒントがたくさん詰まった今回の講義の中から、どんな人にもきっと役立つ、PRライティングのコツをお伝えします。


読まれるかどうかの運命が決まる?大切なのは、目に留まるタイトル作り

検索するだけで膨大な情報がWebサイト上に溢れる今の時代は、そもそも記事を見つけてもらうことすら至難の業。たくさんの記事の中から目に留めてもらうにはどうしたらよいのでしょうか。


そのカギとなるのがタイトルです。人はタイトルを見て、求めている情報かどうかを瞬時に判断しています。読者の目を引くタイトルにするために必要なのは、「キーワード」を盛り込むこと。想定するターゲットに「有益な情報がありそうだな」と思ってもらえる言葉や数字などが入っていると、自分のための記事だ!と判断しやすくなります。


キーワードを選ぶときには、具体的かつ、ターゲットが検索しそうな言葉を意識することが大切です。講座では、ニューヨークのとあるシェアハウスの記事に付けられたタイトル事例が紹介されました。


A.自分次第で可能性を追求できる街、ニューヨークでの夢の実現方法

B.起業につながる留学なら、ニューヨークへ。世界中から一流が集まる都市なら先輩経営者からビジネスの成功法が学べる


AとBを比べて、どちらが内容をイメージしやすいでしょうか?Bではニューヨークで起業をしたい人をターゲットに想定し、「可能性」「夢」といった抽象的な言葉から、「起業」「留学」「ビジネス」「成功法」といった具体的な言葉に変えています。


こうした工夫で、どんな情報を得られるかが分かりやすくなり、読者に本文までクリックしてもらえる可能性が格段に高まります。


あなたの文章は読まれていない?!知っていて損はない、文章の組み立て方

タイトルを見て興味をもってもらえたら、次はいよいよ本文です。でも、目にする記事は長いものが多いですよね。最初から最後まで丁寧に読み上げることは、ほとんどの人がしていないのではないでしょうか。

「読了率は、一般的に30%くらいと言われています」講師の言葉に、私は一瞬耳を疑いました。どんなに思いを込めて書いた文章も、全体の30%しか読まれない。逆に言うと、30%読めば伝わる内容にしなければなりません。


そのためにまず「構成」を考えます。構成は書きたいことをすべて洗い出し、どんな要素をどの順番で書くか考える、いわば設計図のようなもの。最後まで読んでもらえる可能性は極めて低いということを大前提に、読者が知りたい情報をできるだけ早く書く、これが鉄則です。


構成は記事を読み終わった後、その人にどうなってほしいのかというゴールを設定するところから始まります。例えば、「イベントに参加してもらう」「ある商品を買ってもらう」など。ゴールが決まれば、あとはどんな順番で要素を組み立てるかを考えます。


そんな順番を考える際のヒントになる指標があります。マーケティング用語の「AIDMA(アイドマ)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?人がどのような思考で購買行動に移るかということを表しています。


A=Attention 気づく

I=Interest 興味をもつ

D=Desire 欲する

M=Memory 記憶する

A=Action 行動に移す


記事もこの順番に当てはめて、人の気持ちの変化を想像しながら書いていく。それを意識するだけでも、「読まれる」文章に近づきます。


文章の始まりはいつも、「届けたい人」を想像するところから

「こんな人に読んでほしいな〜」となんとなくイメージして書いてしまうと、結果的に誰にも届かないという事態に陥りがちです。「この人に届ける!」という具体的なターゲット設定をすることで、内容や言葉の選び方、これまでに説明したキーワードや構成も自ずと変わってきます。


ターゲットは、年齢、性別、職業などの属性だけでなく、どんな暮らしをしていて、どんな趣味があるのかなど、その人のライフスタイルや趣向まで細かく設定します。そのときに思い浮かべる具体的な人物像をペルソナと言います。

ペルソナを想定したら、次に考えるのはその人の興味・関心度です。たとえばオーガニックシャンプーを購入してほしい場合、ターゲットの心の中は、関心度の高い順番で言うとこんな風に分類されるかもしれません。


・ちょうどオーガニックシャンプーが欲しくて探していた!

・オーガニック系の商品には興味はあるけど、何がよいのかな?

・シャンプーはもちろん使うけど、こだわりはなし


まさにその情報を求めている人を「コア」、きっかけがあれば興味を持ちそうな人を「リード」、将来的に興味を持つ可能性がある人を「マス」と呼びます。

ターゲットの関心度によって、その人がほしいと思う情報、興味をもたれる内容も異なります。心の中まで想像することが、より一層読み手に「届く」記事にする秘訣です。


第2回目の講座を終えて

今回学んだ「タイトル」「構成」「ターゲット設定」すべてに共通しているのは、読み手の立場や行動、心の中を想定して情報を整理するということ。知りたい情報がある読者と、伝えたいことがある私たちをつなげる重要な作業が、PRライティングなのだと実感しました。


1人でも多くの人に読まれる記事を書くために、読み手に寄り添った「PR視点」を、これから身につけていきたいと思います。


(執筆:PRライター 渡部夕子)