本当に価値あるものを伝えていくために。多様化する時代に必須のPRとは? 〜第5期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第1回レポート〜
人生の選択肢を増やしたいと考えるとき、スキルアップして視野が広がれば、今の仕事をもっと違う視点から見られるかもしれない。そして別の可能性にもチャレンジできるかもしれない。そう思う人は多いのではないでしょうか。
私は、昔から興味のあったPRやライティングのスキルを身につけるため、「第5期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座」を受講することに。そんなPR初心者の渡部夕子が、第1回の講義で学んだPRの基礎知識から職業としてのPRまで、詳しくレポートします。
そもそもPRとは?広告から紐解くPRの世界
PRと聞いて、どのようなイメージをもつでしょうか。商品の宣伝?販売促進?プロモーション?なんとなくイメージはあるものの、いざ質問されると説明が難しい言葉です。
PRとは、パブリックリレーションズ(Public Relations)の略。端的に言えば、企業に関わるすべてのステークホルダー(顧客、従業員、取引先、株主、そして社会などの利害関係者)と良好な関係性を築くことによって、事業を発展させていくこと。つまり、「この商品を買ってもらったら目標達成!」ではなく、より中長期的な視点でファンになってもらうことを目的としています。
まず講師から受講生に対して、PRと広告の違いについて問いかけられました。「広告との1番の違いは何だと思いますか?それは、第3者視点、客観性があることです」
とくに大きな違いは、PRの中でもメディアリレーションズと言われる部分です。メディアリレーションズにおいて、企業が新聞やCMなどの「枠」を買い、伝えたいことを自由に発信できるのが広告。それに対して、新聞や雑誌、テレビ番組など各種メディアの記者、すなわち第3者が媒体を通じて伝えるのがPRです。このことから、より情報の信頼性が高いと言われています。
たとえば「私ってこんなにすごいんですよ」と自分で言うのと、「あの人ってすごいんですよ」と他の人から言われる場合、どちらに説得力があるか……多くの人が納得するのは、後者ではないでしょうか。口コミやレビューなども、この手法が使われていますよね。
ただし、広告とPRを比較して、どちらがよい、悪いということではありません。両方とも売上アップや事業の発展という最終的な目的は基本的には同じで、そのプロセスや重きを置くポイントが異なるんですね。講義では、その企業がどうしたいのか、何を目標にしているかによって、最適な手段を使い分けることが大切だと教わりました。
可能性を秘めた、PRプランナー&PRライター
一言でPRと言っても、その手法は多岐にわたります。オフラインで行われるイベント、チラシ、書籍、展示会の出店をはじめ、オンラインのメルマガ、コーポレートサイト、オウンドメディア、ECサイト、SNS、プレスリリースなど。
特にオンラインにおいて、インターネットが普及していなかった時代には、メディアに記事を掲載してもらうことが主な業務でした。インターネットが急速に普及したことで、メディアに頼らなくても、各企業が自分たちの手でPRを手がけることが可能になったのです。
しかしその一方で、企業に所属するPR担当者の負荷は増大し、外部のPR会社やフリーランスと一緒にPRを手がける機会が増えました。そこで重宝されるようになったのが、PR視点を持ったプランナーやライターの存在です。
多様な価値観が溢れている今は、「商品そのものがよい」というだけでは売れない時代。本当に価値あるものを、最適な手段で発信することのできるPRプランナー&PRライターは、これまでも需要が増えつづけ、今後ますます高まると言われています。私のように仕事の選択肢を増やしたいと考える人にとっては、身につけるべき必須のスキルと言えるかもしれません。
効果的なPRは、テーマ設定から始まる
講義の中で何度も行われたのが、グループワーク。ただ講義を聞くだけでは得られない気づきを、受講生同士の意見交換を通じて共有することができます。
講義も終盤に差しかかった頃、講師から「ペアになり、5分程度でお互いの話を聞いて他者紹介をしてください」とのお題が。簡単そうに聞こえて、実はこれが難しい作業でした。
ただ「他者紹介」という名目で漠然と相手から話を聞いても、何からどんな風に紹介すればいいのか、それを聞く受講生たちがどんな情報を知りたいのか……。考えがまとまらないまま、あっという間にタイムオーバーとなりました。
相手のことを誰かに伝える=PRするには、「どんな切り口でその人の魅力を伝えるか」という明確なテーマ設定が必要だと実感した瞬間でした。
第1回目の講義を終えて
今回PRの基礎を学んで、印象に残っている言葉があります。それは、itty selection創業者のかみむらゆいさんのお話の中で語られました。「もしお客さまからPRのプランニングやライティングを依頼されたら、ブレーンとして経営者視点を身に付けること、そして自分が1番のファンになることが大切」
限られた予算の中で、どのタイミングで、誰に向けて、どんな手法でPRするのが最も効果的か。それをお客さまと一緒に考え、信頼できるパートナーになるという意識をもつことが、PRプランナー&PRライターへの第1歩。その道のりはまだまだ遠い……と途方にくれながらも、1歩ずつ学びを進めていきたい、そう思いを新たにすることができた第1回めの講座でした。
(執筆:PRライター 渡部夕子)
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